12球団断トツ197得点&最少102失点を誇るソフトバンク、交流戦「9度目の頂点」は射程圏内【評論家の視点】
警戒すべきは広島と昨季日本一の阪神
やはり警戒すべきは2カード目の広島、最後に対戦する阪神だ。勢いがある広島は大瀬良らの状態も良く、打線もつながる。昨季日本一の阪神は力がある。特に才木は完投もできる好投手だ。岡田監督もチームを勢いづけるためのアプローチをしてくるだろう。 次はソフトバンクの注目選手に移ろう。昨年12球団トップの打率4割1分3厘と活躍した近藤もいるが、今年はあえてオスナを挙げてみたい。開幕から注目に値する働きを見せてきた選手が多く、投打のほとんどが交流戦でも活躍を期待できる中、本調子ではない時期が長かったからだ。 開幕直後は本来の安定感を欠き、セーブ失敗もあった。ただ、小久保監督がぶれずに起用するうちに状態が上がり、球速も150キロ台後半が出てきた。いつもと違うセとの対戦はいいきっかけにもなる。この3週間が「完璧な守護神」に戻る期間になればいい。 小久保監督のどっしりした普段着の野球にも改めて注目したい。21、22日の楽天2連戦のような大勝がある一方、3点差以内の堅実な勝利も多い。ロッテに3連敗した後もすぐ次を見据えていた。豊富な戦力を使いこなす手腕もさえており、交流戦での「9度目の頂点」は十分に射程圏内だ。 今季のソフトバンクはレギュラーシーズン、ポストシーズンに交流戦を加えた「完全制覇」を狙っているはずだ。1年を三つに分ければ、交流戦からは中盤戦に入ってくる。過去に何度もペナントの行方を左右した短期決戦でしっかり足固めをして、後半戦での有終の美につなぎたい。(西日本スポーツ評論家)
西日本新聞社