「脳が寄生虫に食い荒らされている」ロバート・ケネディ次男の“数奇な運命”〈トランプが要職に起用〉
〈「冷血!」「人でなし!」「副大統領候補の目はないな」…トランプ側近に大ブーイングが起きた“意外なワケ”〉 から続く 「週刊文春」の町山智浩さんの人気連載『言霊USA』をまとめた最新刊『 独裁者トランプへの道 』。 トランプの返り咲き再選までの400日が詳しい現地ルポとともに詳細に報告されている。 第2次トランプ政権において「政府効率化委員」「国土安全保障長官」「厚生長官」にそれぞれ指名された、ヴィヴェク・ラマスワミー、クリスティ・ノーム、RFKジュニアは一体どんな人物か? 連載時のコラムを紹介する。 ◆ ◆ ◆
ケネディ一族からは縁を切られ…
第3の大統領候補だったロバート・ケネディ・ジュニア(70歳。以下、RFKジュニア)は、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥で、1968年の大統領選に民主党から出馬する直前に暗殺されたロバート・ケネディの次男。 だが、民主党のロイヤル・ファミリーともいわれるケネディ一族からは縁を切られている。反ワクチンの陰謀論者だからだ。 RFKジュニアはもともと環境問題を専門とする弁護士で、はしかなどの混合ワクチンが子どもの自閉症の原因だとする裁判を担当。この説こそ科学的に否定されたが、RFKジュニアはワクチン反対派のリーダーとして政府と対立していった。 コロナ禍で政府がワクチン接種を義務付けると、それに反対する人々の陰謀論は、世界を裏から支配する国際陰謀ネットワークDS(ディープ・ステート)や、トランプが選挙で負けたのはそのDSの陰謀だとするQアノンなどの陰謀論とからんで、膨れ上がった。 「携帯電話の5G電波がコロナを感染させる」 そんなデマまで喧伝していたRFKジュニアを大統領にしたいと考える人は多くないが、それでも世論調査の支持率は5%ほどある。現在、トランプは支持率でカマラ・ハリスに負けているが、RFKジュニアの5%をつかめば逆転できる。 というわけで、トランプはRFKジュニアに閣僚の席を約束し、RFKジュニアは9月27日には接戦州ミシガンのトランプ集会に現れて、自分の支持者に「私ではなくトランプに投票してほしい」と呼びかけた。