特殊詐欺「来年も増え続ける」2024年の被害額は1059億円超…弁護士が指摘する“注意すべき新手口”の兆候とは
弁護士からみた2024年の詐欺
消費者詐欺の解決に特化する形で、弁護士として単にトラブル解決を図るだけでなく、自らもSNSなどを駆使して、広くアンテナを張り、情報収集も行う佐久間弁護士。そんな立場からみた2024年はどのような1年だったのか。 「一歩進んだ年というイメージです。闇バイトやロマンス詐欺の影響が大きく、警察が少しずつ動き出したように思います。警察庁が各管轄の警察署宛てに特殊詐欺の検挙件数をあげるように伝えたという報道にも接し、警察内部も対応しようとする姿勢は見えてきました。 もっとも、まだまだ、副業詐欺は存在し、警察が追いつけていない部分も多くあります。こんなに治安の良い日本でも、警察はマンパワーの問題をよく言ってくるのが不思議です。採用難は警察も同じだとは思いますが…。 ただし、動き始めただけで、きちんと詐欺を減らせているわけではないので、2025年は結果が求められる年といって良いのではないでしょうか」 前半はSNS型投資詐欺の猛威が目についたが、後半にかけ、闇バイトの脅威が目立った2024年。両者がリンクしているという話もあり、悪人はどんな状況でもうごめき続け、わずかなスキも逃すまいと暗躍している。 「自分だけは騙されない」。今年は平穏だったとしても、2025年、被害に遭わないために少なくとも、そうした過信は捨て去り、常に警戒を怠らない。 世知辛い世の中だが、何事も自分事と考え、慎重に行動する。気が張り詰めてしまいそうだが、みすみす虎の子をだまし取られないためには、それくらい思い切った発想の転換と覚悟が必要といえそうだ。
弁護士JP編集部