侍ジャパンに2度負けながら“世界一”…台湾紙が特殊な戴冠に異例の感謝「日本は最も尊敬すべき対戦相手」【プレミア12】
文字通りの大一番で台湾ナインは快哉を叫んだ。 11月24日に東京ドームで「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のスーパーラウンド決勝が行われ、台湾代表が日本代表に4-0で勝利。開幕から7戦無敗だった強敵を破り、同国史上初の国際大会制覇を成し遂げた。 【動画】戸郷翔征がチェン・ジェシェンに3ランを被弾したシーン 一気呵成の攻撃で侍ジャパンを飲み込んだ。5回表にリン・ジャーチェンのソロ本塁打で先制すると、なおも1死一、二塁の好機でチェン・ジェシェンが値千金のダメ押し3ランをマーク。攻めあぐねていた相手先発の戸郷翔征を攻略した。 終盤は的確なリレーで繋いだ台湾。その継投策も功を奏して日本をわずか4安打に抑え、シャットアウト。投打で付け入る隙を与えない完璧な試合内容で世界一となった。 東京ドームのど真ん中に歓喜の輪ができた。スタンドに居合わせた台湾のファンは国旗を熱心に振りながら熱狂。およそ敵地とは思えない雰囲気が広がった。 そんな異様なお祭りムードの中、台湾のメディアでは敗れた日本への称賛も目立った。日刊紙『自由時報』は「私たちの最も尊敬すべき対戦相手である日本に感謝したい。彼らほどの強敵がいなかったら、この優勝はここまで貴重なものではなかった」とメッセージを発信した。 日本は今大会中に台湾から2勝を収めている。総当たり戦が行われるレギュレーションによるものだが、台湾ナインはなんとか決勝で三度目の正直を果たしたのである。 ようやく勝てた。だからこそライバルとして立ちはだかった日本の強さと精神力に彼らは賛辞を惜しまない。『自由時報』は「試合後の表彰式も彼らは最後まで見届けて頭を下げた。悔しさを押し殺しながらのスポーツマンシップを忘れない姿に強さを見た」と異例とも言うべき絶賛を続けた。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]