化粧まわしに「バカ殿」「アイーン」?新十両羽出山、同郷の「英雄」志村けんさんにあやかりたい
憧れの志村けんさん(故人)に、1歩近づいた。日本相撲協会は27日、福岡市内で来年1月の初場所(東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、西幕下筆頭の羽出山(はつやま、25=玉ノ井)の新十両、東幕下2枚目の木竜皇の再十両昇進を発表した。 【写真】満面の笑みの羽出山。部屋の看板前でガッツポーズ その後、羽出山は福岡・須恵町の部屋で会見。東京・東村山市出身の同郷、志村さんを「英雄」「憧れ」とたたえ、遺族らに化粧まわしを作製してもらうことを熱望した。 ◇ ◇ ◇ 夢の関取昇進を果たした羽出山は、さらに壮大な夢を持っていた。新十両会見後、雑談に近い形で囲み取材に対応。22年春場所の初土俵から、2年8カ月での昇進にホッとした表情を見せる、和やかな雰囲気が一変した。「東村山市出身といえば…」。その質問を聞くやいなや、羽出山の中でスイッチが入った。同郷の志村さんへの思いの強さを、隠しきれなくなった。 羽出山 「志村さんは英雄。東村山の名前を広めてくださった、地元の大スター。憧れの人。僕の相撲界での1つの夢が、志村さんの化粧まわしで土俵入り。幕内に上がることができた時、かなえられれば」。 志村さんの兄が東村山市在住の縁で「ツテはある」と、遺族との親交はあるという。化粧まわし作製をお願いするため、直談判も視野に入れている。デザインは志村さんの代表的なキャラクター「バカ殿」と、代表的なギャグ「アイーン」のどちらがいいか問われると「うーん…」と本気で悩んだ末に「僕では決められない」と、ファンの域を越える“志村愛”を見せた。 こうなると止まらない。 羽出山 「部屋に入る前に(東村山市にある)銅像にあいさつして、部屋には『だいじょうぶだぁ まんじゅう』を手みやげで持っていった。東村山市民は志村さんにあやかるしかない(笑い)。超えられるとは思っていないので、2番手ぐらいにつけられたら」。 志村さんブレークのきっかけ「東村山音頭」の「東村山音頭1丁目 ワァーォ!」の人気フレーズにかけて「僕、出身が1丁目なんです」と明かし、また笑った。この日は周囲も“大爆笑”に巻き込んだが新十両土俵は“大爆勝”でファンを魅了する。【高田文太】 <羽出山将(はつやま・しょう)> ◆生まれ 1999年(平11)11月5日、東京・東村山市生まれ。本名同じ。 ◆小中学校時代 仲良しの友だちが通っていた立川練成館で小学6年から相撲を始める。中学では道場での相撲と並行し、学校でバスケットボール部所属。小学校卒業時に170センチ、中学卒業時に188センチの長身でポジションはセンター。 ◆高校、大学時代 相撲一筋となり東京・足立新田高2年時に全国高校総体3位。3年時に全国高校金沢大会優勝。東洋大4年時に東日本学生選手権3位。 ◆大相撲 三段目100枚目格付け出しで22年春場所初土俵。今年秋場所で初の各段優勝となる幕下V。 ◆珍名 羽出山は全国で20人程度しかいない名字とされ「家族と親戚しか会ったことがない。ルーツは父の出身の福岡県らしい」。 ◆家族 185センチの父、160センチの母、180センチの兄、173センチの姉と長身。 ◆サイズ 193センチ、141キロ。 ◆血液型 O。