「痛い!」幼少期に1万人に1人の難病を発症した浜口順子 10年間にわたる壮絶な闘病生活「お寿司屋さんで心が折れかけ」
しかし、両親は「自分たちを責めた」と話していました。何かしらの生活習慣や食生活など、「自分たちがよかれと思ってやったことが、娘の病気の引き金になったのでは」と考えてしまったそうです。神頼みをしたり、霊媒師を呼んでお祓いをしたり「やれることはなんでもやった」と言っていました。 ── 闘病中の支えになったものがあれば教えてください。 浜口さん:小学4年生のとき、本屋さんで何げなく手に取った一冊の本が、その後の人生の大きな励みになってくれました。清水宏子さんという方が書いた『やさしさの坂道』という本なのですが、私と同じ病気を患っていた清水さん自身の闘病の様子が描かれていて。
それまで私と同じ病気の人と出会ったことがなかったため、偶然その本を手に取ったことに運命を感じたほどでした。清水さんは、病気を抱えながらも車椅子で社会に出て、仕事をしていました。「もし病気が治らなくても、清水さんみたいに社会に出て働けるんだ…!」と自分の将来に可能性を感じたことを覚えています。 その本と出会ってからは、「病気と戦っているのは自分だけじゃない。クヨクヨしていられない」と前向きに気持ちを切り替えられるようになりました。
■中学1年生で「完治」。漢方との出会いが改善のきっかけに ── 小学校中学年のころには症状が緩和したそうですが、何がきっかけで改善に繋がったのでしょうか。 浜口さん:小学1年生のころに、漢方を使った東洋医学の存在を知り、西洋医学と東洋医学の両方を取り入れている大学病院を受診したことが、改善への第一歩となりました。セカンドオピニオンで受診し、その後、漢方を服用するように。すると明らかに体調に変化が見られたんです。
それまでは痛み止めの副作用で食欲がまったくありませんでしたが、漢方を服用するようになってからは、「食べたい」という気持ちに。学校の給食もおいしく感じられるようになり、顔色もずいぶんよくなりました。 その後、担当医にも漢方を始めたことを伝えたところ、血液の数値もよくなっているということで、漢方をメインにした処方にシフトしてもらうことに。ただ、漢方薬を煎じて飲んでいたため、味や香りが独特でとても飲みにくく、毎回、牛乳と一緒にごまかしながら飲んでいました。「治る可能性があるならば」と、必死でした。