来季は三冠王の可能性も…他球団が警戒する「日本ハムの強打者」は
打撃スタイルが重なるブーマー
他球団のスコアラーは「パ・リーグで最も怖い打者の1人」と警戒を口にした上で、レイエスの打撃についてこう分析する。 「逆方向に長打を打てるし、変化球への対応力が高い。コンタクト能力に自信を持っていると思います。来年は1年間通じて試合に出続ければ三冠王を狙えるのでは。厄介な打者ですよ」 助っ人外国人で三冠王を獲得した選手はブーマー・ウェルズ(阪急、オリックス、ダイエー)、ランディ・バース(阪神)の2人のみ。バースは85、86年と2年連続で輝いている。 巨漢の右打者でレイエスと重なる打撃スタイルがブーマーだった。来日2年目の84年に打率.355、37本塁打、130打点で外国人史上初の三冠王に輝くと、その後にシーズン40本塁打を3度マーク。ただ、「私はホームランバッターではなく、アベレージヒッターだ」と語っていたように長い手足を器用に使った巧みなバットコントロールが真骨頂だった。89年に打率.322で2度目の首位打者を獲得するなど、日本で10年間プレーして通算打率.317をマーク。4000打数以上では落合博満(ロッテ、中日、巨人)を上回り、右打者の史上最高打率だ。 ブーマーは異国でプレーする際に心掛けていることを聞かれ、「日本で成功するためには、自分が日本にいることを忘れないことだ」と語っている。本塁打を狙ってバットを振り回すのでなく、好機の場面では右方向への軽打で走者を掛けすなどフォア・ザ・チームに徹した。打点王を4度獲得したことが貢献度の高さを物語っている。 レイエスも状況に応じた打撃技術で何度も殊勲打を放った。ブーマーのような「球史に残る最強助っ人」になれるか。その可能性は十分に秘めている。 写真=BBM
週刊ベースボール