本田宗一郎氏の思いを未来へ引き継ぐ『第45回 本田財団 本田賞』授賞式
◆医療の大きな発展に寄与する技術であるOCT
眼科医療でのOCTの活用では角膜の厚さや網膜の内部構造、網膜の状態や血管系などを可視化して見ることができるようになった。そのため例えば網膜のわずかな変化も画像化して確認できるようになったのが特徴。アイケアの世界では大きな進化となり、現在では年間3000万件の眼球検査に用いられている技術となっている。
さらにOCTの活用分野は眼科以外の医療分野でも拡大中であり、例えば心疾患の早期発見にも役立っている。血管部分を検査する際これまでは血管造影が従来の検査手法だったが、OCTを用いることで画像の解像度を高めることができ、血管造影剤によるアレルギー反応も考慮する必要が無くなるなどのメリットがある。具体的には血管の閉塞がどのように起きているのか、血管プラークはどこで発生しているのかなどを可視化することができるようになっている。
このように医療の各分野での活躍がすでに広がっているOCT。健康診断や失敗の早期発見などにも効果を発揮する技術として各方面で期待されている。フジモト博士はOCT研究チームを率いてOCTの提案から開発普及までに貢献してきたことが評価され、エコテクノロジーの観点から本田賞を贈ることになった。
レスポンス 土田康弘