スペイン人画家・パガンさん、懐かしの作品と再会 富山県射水市に30年前滞在
かつて富山県射水市新湊地域の内川沿いにアトリエを構え、創作に励んだスペイン人画家、ヒネス・セラン・パガンさん(74)が24日、来日したのを機に市内を訪れ、30年以上前に手がけた作品と再会した。当時の記憶を振り返りつつ「所有する作品を寄贈する用意があるので、射水に美術館を設けてほしい」との構想も明かした。 パガンさんは北アフリカのスペイン領出身で、米国ニューヨークで芸術を学んだ後、25カ国を回りながら、その土地の色彩や風土をくみ取った抽象画を描いてきた。1991年に富山を初めて訪れ、内川沿いの古民家や五箇山の合掌造りの民家で多くの作品を生み出した。現在はスペインに拠点を置き、世界各地で個展を開いている。 数年ぶりに来県した24日は、自身の作品が廊下に飾られている真生会富山病院(射水市下若・大門)に足を運んだ。旧知の藤川洋作さん(83)=同市二口・大門=が「患者に見てもらいたい」と2年前に寄贈した3点で、91年に内川で制作した「さくらさくら」も含まれていた。
パガンさんは約5年間にわたった内川での長期滞在について「日本の魂、心を学べた。自分にとって重要な期間で、当時の体験がいつも胸にある」と語る。内川への愛着は今も強く、自身の美術館設立に向け絵画や彫刻約100点を寄付したいという。