伊藤忠とカワサキモータースが資本提携 伊藤忠がカワサキ株20%を取得 米国事業の強化へ
伊藤忠商事と、川崎重工業の完全子会社で二輪車事業を手掛けるカワサキモータース(伊藤浩社長、兵庫県明石市)は11月8日、資本業務提携を締結すると発表した。川崎重工の保有株のうち20%分(4000株)を、伊藤忠が2025年4月に800億円で取得する。同社とカワサキモータースは販売金融事業を手掛ける合弁会社を米国に設立し、現地のオフロード四輪事業を強化する計画。将来的には伊藤忠のノウハウを生かして中近東やアフリカなどでの販売拡大につなげる狙いだ。 米国の合弁会社は、伊藤忠とカワサキモータースの現地法人が折半出資で25年4月に立ち上げる。本社はカワサキモータースの現地法人があるカリフォルニア州フットヒルランチに置く。社名や代表者、資本金は未定。両社のノウハウを生かし、迅速な与信審査プロセスの構築や競争力の高い金融商品を提供する。カワサキモータースにとって、米国市場は売上高の過半を占める重要市場。事業基盤を強化することで、収益拡大を実現する考えだ。 川崎重工によると、株式譲渡益は約700億円。実際に譲渡が完了する26年3月期の個別決算で、特別利益として計上する見込みだという。この資金で、水素事業などの投資に活用する。 カワサキモータースは21年に川崎重工から分社化。24年3月期の売上高は前年比3639億円(前期は3641億円)、営業利益は409億円(同475億円)だった。