ダ・コスタが大集団のレース制す。日産ローランドは4戦連続表彰台でポイントリーダー浮上|フォーミュラEミサノE-Prix
フォーミュラE第6戦ミサノE-Prixの決勝は、ポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが優勝を果たした。 【リザルト】フォーミュラE第6戦ミサノE-Prix:決勝結果 東京E-Prixから2週間、ダブルヘッダーで行なわれる第6、7戦の舞台はミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ。MotoGPサンマリノGPの舞台としても知られる常設サーキットで、フォーミュラEが初開催された。 当然、ストリートサーキットの東京とは違った戦い方が求められ、予選から縁石をいっぱいに使ったアタック合戦が見られた。 第6戦の予選では、ジャガーのミッチ・エバンスが今季初のポールポジションを獲得。DSペンスキーのジャン-エリック・ベルニュが2番手となった。 ポイントリーダーのパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は3番手を確保。東京E-Prixで2位となりランキング3番手につけているオリバー・ローランド(日産)は5番手、ランキング2番手のニック・キャシディは8番手からのスタートとなった。 なお、予選4番手となったジェイク・ヒューズ(マクラーレン)は予選中、車載消火器が作動していなかったとして、最後尾からのスタートとなってしまっている。 28周のレースはクリーンにスタート。エバンスがホールショットを奪うが、10番手スタートから一気にポジションを上げたセバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・レーシング)が首位でオープニングラップを終えた。 各車がバッテリーを節約するべくスローペースでの走行となり、コース幅も広いことから至るところでマシンが横並びとなってコーナーに飛び込んでいく。順位も目まぐるしく入れ替わり、3周目にはキャシディがトップに躍り出た。 キャシディはすぐさま1回目のアタックモードを使い、エネルギー消費が激しくなるトップを譲った。その他のマシンも、集団の中でアタックモードを次々と消化していった。 しかし予選よりも1周8秒以上遅い、1分26秒台のスローペースで各車が集団戦を繰り広げる中、キャシディはベルニュとの接触でフロントウイングにダメージを負い、ピットインを余儀なくされてしまった。なお、ベルニュにはこの件で5秒のタイム加算ペナルティが科せられた。 またポイントリーダーのウェーレインも、コーナーでベルニュに追突するような形となりフロントウイングにダメージ。ピットインを強いられた。 ランキング上位の2台が大きく後退してしまった一方で集団戦は続き、エネルギーを可能な限り節約しながら、終盤に向けた位置取り争いを続けた。 ペナルティを抱え、後続との差を開かなければ一気に最後尾まで落ちてしまうベルニュは、ローランドやダ・コスタ、マキシミリアン・ギュンター(マセラティ)を従えながら首位に浮上し、隊列を引っ張る形にとなった。 セーフティカーやフルコースイエローも出ないまま、レースは終盤に突入。各車もペースも少しずつ上がっていく。残り4周のところでは、首位に立ったローランドが後続を突き離すべく1分20秒359のタイムを叩き出すが、ベルニュを交わしたダ・コスタはそれをさらに上回るペースでそれを追い、優勝争いが2台に絞られた。 バッテリーも1%ほどローランドより多いダ・コスタは、ローランドをパスし首位でラスト2周に突入した。 ローランドは懸命に追うも、ダ・コスタが逃げ切りトップチェッカー。14番グリッドから追い上げ、今季初表彰台が嬉しいシーズン初優勝となった。ローランドは、これで4戦連続の表彰台獲得だ。 ベルニュは3番手でチェッカーを受けたものの、ペナルティにより8位に降着。3位には17番グリッドからのスタートだったジェイク・デニス(アンドレッティ)が入った。 ウェーレインが17位、キャシディがリタイアとなったことで、ローランドはまだ優勝こそないもののポイントリーダーに浮上している。
松本和己
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