バイクを愛する“不良中年”の集い20年 ゆるさが継続の秘訣
ネットつながりでオートバイの旅を楽しむ中年バイカーの集まり「RIDERS NETWORK 不良中年友の会」が今年で発足20周年を迎え、29日から長野県で1泊の記念全国ミーティングを開きます。いつまでもバイクに乗っていて中年になってしまった「不良中年」を自称し、メンバーは最高齢80歳から主力を占める60代、若くは30歳まで。細かい規則などの面倒を嫌うユル~い集まりが会の長生きのコツになっているようです。 【写真】大型バイク駆る中高年ライダー 「余裕」があこがれを形に
地方でも「オフ会」が活発
「不良中年友の会」は、ハンドルネーム「たいちょう」の手島正弘さんが総責任・会計を担当。会は発足の経過を詳しく知る人も少ないのんびりムードが身上。今回幹事を務める愛知県のハンドルネーム「英」の臼井英樹さん(58)は「メンバーの最近のバイクや乗り方の傾向などは分かりません。そこまで把握しないのが会のいいところで、皆さんわがままでマイペース」。一時はメンバーが全国で500人を数えたこともあったと言われますが、その後の「勢力」についても「はて?」。
地方でも互いにメールで連絡を取り合ってネットを離れて現地で会う「オフ会」が活発。今回のような「全国大会」とは別に、東北(滝桜オフ・4月)、東北(さくらんぼオフ・6月)、讃岐(鰹=カツオ=オフ・10月)、愛知(手羽先オフ・2、4、6、9、11月の各1日)、長野(“うだキャン”オフ・例年GWと秋の2回)など各地方で10年以上続くオフ会も。地方のオフ会を楽しみに本州を縦断してバイクで駆け付けるメンバーも少なくありません。
これまで節目ごとに全国ミーティングを開いて来ましたが、メンバーの職業は会社員、寺の住職、公務員などさまざま。女性のライダーや子連れでの参加もありました。 中高年ライダーのネットワークが根強いのは、「リターンライダー」と呼ばれる40~50代のバイク購入が活発で、大型バイクの購入も目立っている背景がありそうです。
中高年になって経済的に余裕が出てくるだけでなく、豊かな趣味の一つとしてバイクの旅を選ぶという動機も。幹事の臼井さんは「私の場合は“不便さを楽しむ”ためにバイクに復帰しました」と言います。仕事に追われていた現役時代から、自由な時間を取り戻そうとバイクを友とする生活を夢見てきた中高年は少なくないようです。 全国ミーティングは29日から長野県茅野市のホテルで1泊。懇親会で久しぶりの顔合わせになるメンバーが近況を語り合いますが、「特別なレクリエーションやゲームなどはご用意できませんが、久しぶりに皆でワイワイ楽しみましょう」と肩の力を抜いた告知の主催者。ユルーくマイペースで語り合ったメンバーは翌朝、それぞれの目的地に向けて散って行きます。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説