「可愛くて愛嬌満載だったあの頃の欧州車」好きへ贈る2台。原点回帰するルノーの“初代リスペクト”モデル
初代の面影を残すキャトルは、よくできた息子のよう
一方、ぱっと見はあまり似てないが、よく見れば「確かにあちこちに面影が……」なのが、初代「4(キャトル)」をリスペクトした「4(キャトル)E-TECHエレクトリック」。初代の“息子”、といったほうがしっくりくる。 例えば、初代(後期型)でフロントグリルを囲っていたメッキパーツがLEDのライトバーで、縦の楕円型リアライトもLEDで形が再現されている。 また後席の後ろ、ラゲッジ部分にも初代と同じく窓が備わるし、キャンバストップ仕様のルーフが用意されるのも初代同様だ。
確かに初代のDNAを受け継いでいるが、息子のほうは背が高い。いや、脚が長いと言ったほうが適切かもしれない。最低地上高が高いのだ。実はこれ、初代のDNAが現代に適応した結果らしい。 1961年に登場した初代は、都市に暮らす人から農家、郵便局員、憲兵隊にいたるまで、職種や性別、年齢にかかわらず愛用された。人も荷物も積める、ちょっとした万能車だったのだ。 そんな初代がもし現代に生まれ変わるなら、やっぱり“アウトドアにも出掛けられる性能は必須”というわけ。
だから最低地上高が高く設定され、オールシーズンタイヤを履き、走行機能にスノーモードとオールテレインモードが備わる。 ルノーは、この息子を「21世紀のブルージーンズ車」と呼ぶ。あらゆるシーンに対応する、というわけだ。
1回の充電で400km走り、電動アシストバイクなど他の電化製品にも電気を供給できる。Googleがビルトインされているからカーナビ(Googleマップ)は常に最新。
車内に潜む、バーチャル執事の「リノ」に頼めば音楽をかけたり、エアコンの温度を調整してくれるのはもちろん、「タイヤ交換ってどうすればいいんだっけ?」なんて相談にも対応してくれる。こんなよくできた息子がいる初代は、きっと鼻高々だろう。
上記のトゥインゴよりも早く、2025年には市場に投入される予定の4(キャトル)E-TECHエレクトリック。果たして日本にもやってくる!? こちらも目が離せそうにない。 籠島康弘=文
OCEANS編集部