ドイツ銀プライベートクレジット事業、アジア拡充-日本にも注目
(ブルームバーグ): ドイツ銀行傘下の投資運用会社DBインベストメント・パートナーズ(DBIP)はアジアでプライベートクレジットのチームを増強している。魅力的な成長性と比較的若い人口が多い点に言及した。
ラヘマン・メグジ最高経営責任者(CEO)によると、DBIPは今月、インド事業責任者として業界ベテランのドルバ・アガルワル氏をブラックロックから採用しており、6月にはさらに幹部1人を採用しアジアチームを5人にする方針だ。同社はこの地域で1500万-1億5000万ドル(約23億-235億円)の投資機会を探し、10%台半ばのリターンを目指しているという。
ドイツ銀、投資家向けプライベートクレジット事業開始へ
ロンドンに拠点を置くメグジ氏は今月行われたインタビューで、「若い人口が保険や消費者向け融資、航空、運輸などの需要を喚起する」とし、アジアにはプライベートクレジットの機会が多くあるだろうと指摘。「この地域はわれわれの戦略上、非常に重要だ」と語った。
1兆7000億ドル規模の世界プライベートクレジット市場はより高い変動利回りを提供することで急速に、主流の融資の手ごわいライバルになりつつある。HSBCホールディングスの分析によると、世界市場におけるアジア太平洋地域のシェアはまだ比較的小さいものの、他地域を上回るペースで伸びている。
メグジ氏によれば、DBIPはヘルスケア、デジタルインフラ、エネルギー移行などにアジアで最も大きな好機があるとみている。
プライベートクレジットでアジア最大の市場は今のところインドとオーストラリアだと指摘。双方ともディールフローが良好だが、そうした機会を「追求する資本も多い」と述べた。
またインドネシアは、人口動態と基本的な経済成長シナリオを踏まえると「潜在的に興味深い」と発言。プライベートクレジット分野がまださほど発達していない日本にも同社は目を向けているという。
原題:Deutsche Bank’s Private-Credit Business Beefs Up Team in Asia(抜粋)
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Megawati Wijaya