なぜうちの夫は家事を手伝わないのか…?家族を巻き込むために欠かせない2つのポイント
共働きで仕事に育児に忙しいのは変わらないのに、なぜか一人で家事を担っていて、家族は手伝ってくれない……。そんな状況を打開するべく、片付けのコンサルタントである著者の澁川氏が片付けの「仕組み化」を提案する。新連載の第3回は、片付けの仕組み化を定着させて、継続するために不可欠な「家族の巻き込み方」を取り上げる。(親・子の片づけ教育研究所代表理事、COMFORT STYLE代表 澁川真希) 著者プロフィールを見る ● 家事を一人で抱えるのは無謀! 「仕組み化」は家族の協力が不可欠 なぜ夫(妻や子どもでも)は家事を手伝わないし、覚えないのか?といら立っている共働き家庭は少なくないでしょう。メインで家事をしている人には「当たり前」のことでも、他の家族からすると、その「当たり前」が分からないことは多いものです。 必要な物がどこに置かれているのか分からない、やり方も分からない。それでも分からないなりに自己流でやってみると、「そうじゃない、違う」と怒られる……。そんなことが続くと、家族は家事をやりたくなくなり、避けるようになって、誰も家事をやってくれず、一人で抱えるという悪循環に陥ってしまいます。家事で疲弊してしまい、思うように仕事のパフォーマンスが発揮できないなんてこともあるかもしれません。 そんな状況を打開すべく、片付けの「仕組み化」に興味を持たれたそこのあなた。仕組み化で得られるメリットは大きいので応援しますが、実は「一人で続けていく」ことには無理があります。 せっかく仕組み化を導入しても、定着しなければ本領は発揮できません。仕組み化でゆとりを生み出し、快適な暮らしを実現するためには、家族とのコミュニケーションを密にしていくことと、家族の協力が不可欠なのです。
● やりたいことができる環境を作れば 「自分で選べる!」と子どもが大喜び 自分だけが頑張るのではなく、まずは家族も何かをやりたいと思った時にさっと始められる環境を作ることからスタートしましょう。何かを始める時に、誰かに尋ねないとできない状況は、とても不便で、大人でも子どもでもストレスを感じます。 職場に例えてみましょう。文具や機器、申請書類、過去の事例資料など必要なものを使いたい時にどこにあるのか分からなければ、忙しそうな同僚の仕事を中断させて尋ねてみたり、はたまた詳しそうな人を探してみたりする“本質的な仕事をするための仕事”が生じてしまいます。 家の中で例えるならば、実家でキッチンの洗い物をしようとするシーンを思い浮かべてみてください。複数のスポンジが置いてあって、食器洗いにどのスポンジを使っていいのか分からず、それを尋ねることもできないと、そもそも洗い物をすることができません。 今日はあの服が着たいと思っても、どこに入っているかわからない……。お絵描きをしたいけれど、お絵描き帳やクレヨンがどこにあるか分からない……なんていうこともありますね。 以前、整理収納のお仕事をさせていただいたご家庭では、子供服をお子さんの身長に合わせて出し入れしやすい場所に収めて、自分達で身支度できるようにしてみました。すると、お子さんたちに「これで自分が着たい服が選べる!!」ととても喜んでもらえました。 何かをして怒られるのではなく、自分でやりたいと思ったことができて、後片付けまでできる日々の小さな成功体験が、子どもの自信や自己肯定感を高めることにもつながっていきます。 メインで家事する人だけが分かるのではなく、他の家族もどこに何があるかが分かり、さまざまなルールが分かるようにして「自分でやりたいことをできる環境」を作ることをゴールにしましょう。