EVは2025年からSDVの進化とともに次のステージへ。BMWとホンダに見る開発最前線
BMWのSDV第一弾は2025年下半期に投入される次期iX3
その第一弾として2025年下半期に発表されるのが次世代iX3。2024年3月にノイエ・クラッセのコンセプトカー第2弾として発表された「ノイエ・クラッセX」の量産型である。新世代バッテリー(第6世代バッテリーセルを初採用)による充電時間の大幅な短縮、さらにV2Gを見すえた双方向充放電機構を搭載するなど、SDV機能を下支えするEV機能の向上も話題になりそうだ。 翌26年には23年に先行して発表された「ビジョン ノイエ・クラッセ」、つまりセダンi3シリーズの展開も始まる。おそらく同車をベースにしたツーリング、クーペやカブリオレも追って登場するだろう。また、中国市場向けのロングホイールベース版iX3もラインナップされるはずだ。2026年までに少なくとも6車種の“ノイエ・クラッセ”を投入すると言われており、水面下で開発が進む4モーター(クアッドモーター)のモンスターEV「i3M」も間に合うかも知れない。
インホイールモーターの実用化も視野に入る
ノイエ・クラッセのシリーズはまだまだ拡張する。去る7月17日、BMWと同社が支援するテック企業「DeepDrive」は、開発中のデュアルローター型インホイールモーターを搭載する車両で公道走行テストを開始することを発表した。早速、8月に入ってからそのテスト車両の目撃情報が相次いで現地メディアに寄せられている。驚くのはテスト車両が“大柄なクーペ”であるところ。全体的なフォルムは、去る3月に公開されたデザイン・コンセプト「スカイトップ(Skytop)」によく似ている。 残念ながらここではテスト車両の画像は掲載できないが、スカイトップの特徴的なリアエンドのデザインが踏襲されており、ノイエ・クラッセのフラッグシップクーペの開発も計画されている可能性は高い。インホイールモーターが搭載されるかどうかは不明だが、間に合えば画期的なEVの登場となるだろう。
ホンダは「e-アーキテクチャー」を採用するEVを一気に3台投入
ホンダもその手の内を明かしている。少なくとも2025年には2台の本格SDVが発表される。まずは25年前半に先行受注を開始(納車は2026年から)するソニーホンダモビリティ(SHM)の「アフィーラ」、そして8月に公開されたばかりの「アキュラ パフォーマン EVコンセプト」の量産型だ。ともに2025年末にオハイオの新設されたEV専用ラインで生産が始まる。 さらに翌26年にはホンダブランドによる「ゼロ・シリーズ」の第一弾(セダン)も立ち上がる。3台とも当面はオハイオ工場での生産になるが、アフィーラとゼロはグローバルモデルであり、日本でも発売される。 アフィーラはソニーとの共同開発車であり、アキュラやゼロとはSDVアーキテクチャーに若干の違いはあるかもしれないが、基本的なハードはアキュラやゼロと共用する。一方、アキュラでは将来のハイパースポーツ(NSX後継車?)への可能性にも含みを持たせており、SDVとしての機能はもちろん運動性能面でもハイレベルなポテンシャルも盛り込まれている。