「否定は成功の種」玉川徹がSF好きのベンチャー社長に聞くブルーオーシャン開拓の極意
SF映画の未来を先取りして事業化した3Dホログラム
玉川 灰谷さんがリコーに入社したのは、好きなSFを意識した結果ですか? 灰谷 はい。SFのような、未知の世界を実現させるためには、何より技術が必要です。リコーは最先端の高い技術力で新しい世界を提案する企業ですから。 玉川 そんなリコーで果たしたのが、立体映像装置の事業化というわけですね。灰谷さんが開発した3Dホログラムは、どのようなガジェットなのでしょうか。 灰谷 SF映画に描かれることの多い、デジタルのリアルなキャラクターが当たり前のように暮らしているシーンが好きで。3Dホログラムは、それを実現できるような装置です。具体的には『ブレードランナー 2049』で、主人公ジョーと感情を寄せ合って生活する、AIホログラムのジョイから着想を得ました。 玉川 同作品では、卓上に小さなホログラムを投影する、(物語の設定上は)少し古い時代の装置も描かれますよね。 灰谷 3Dホログラムは、まさにそれと同じような装置で、同作品の時代設定より少し早く実現できたことになります。 玉川 それはすごいことですね! 後編では、会社からは「儲からない」「おもしろくない」と言われ続けた映像装置の事業化をどう実現したのか、さらに話を聞いていく。 取材・文/柿川鮎子 撮影/湯浅立志(Y2)
@DIME編集部