中日のドラフト戦略が迷走? 今年のドラフトで再びショート指名の可能性 球団関係者は「立浪監督続投なら全くないとは言い切れない」
立浪監督は来季も続投するのか
実際に大学生のショートを指名する可能性は低いと推察されるが、「全くないと言い切れない事情」があるのも事実だ。その理由は、立浪和義監督の存在だ。中日の球団関係者はこう話す。 「過去2年間の指名は、立浪監督の意向が強く反映されたものだと言われています。就任前までレギュラーだった京田陽太をトレードに出してまで、何とか新しいショートを確立したいという思いが強かったようで、それだけ立浪監督が重視しているポジションであることは間違いないでしょう。ただ、今年も、2年目の村松が主に務めていますが、大学時代から怪我が多く、1年間任せるには心許ない。さらにルーキーの津田、辻本も二軍で結果を残せていない。であるならば、今年のドラフトで宗山や浦田を指名しようという話になってもおかしくありません」 一昨年のドラフト会議の前は、立浪監督は直々に多くの選手を見て回った。この年に1位で指名した右腕の仲地礼亜(沖縄大出身)は、立浪監督のみならず、落合英二コーチと大塚晶文コーチも現地で視察している。昨年は、このような動きはなかったものの、1位で指名して抽選で外した度会隆輝(ENEOS→DeNA)については、立浪監督が高く評価していたほか、津田、辻本のショート2人の指名についても、監督の意向が反映されていたという。 今季の中日は、ヤクルトと最下位争いを展開しており、Aクラスは絶望的な状況だ。一昨年、去年と2年連続の最下位に沈み、今季も低迷している立浪監督が、来季も続投するのか、不透明な状況だが、前出の球団関係者は「現時点で、後任の話が出ていないので、続投も十分あり得ます」と語っている。 前半戦終了時点でのオーナー報告でも、大島宇一郎代表取締役兼オーナーから戦いぶりについて評価するコメントが聞かれた。8月29日には今季の観客動員数が200万人を突破するなど、立浪監督の就任以来、動員数は高水準をキープしている。観客動員数は増える一方で、チームが低迷しているため、選手の年俸は低く抑えられる。球団経営にとって、立浪監督は“最良な監督”なのかもしれない。