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土砂崩れで逢坂トンネルが塞がれ、珠洲市側の道路が寸断されている同市真浦町

北國新聞

　　●「命の問題」住民安堵 　能登半島地震で大規模な土砂崩れに見舞われた珠洲市西端の真浦町に向け、隣接する輪島市から配水管をつなげる計画が進められていることが5日、両市への取材で分かった。真浦町は元日の地震から7カ月以上、水が断たれたままで、珠洲市は輪島側からの延長約1・8キロ区間に管を整備する。珠洲市が隣接自治体から水を引くのは初めてで、通水の見通しが立ったことに住民から安堵（あんど）の声が上がっている。 　真浦町は半島北部の国道249号沿いに位置する。地震で国道の北東側と南西側の両方で土砂崩れが発生し、一時孤立した。輪島市側は出入りできるようになったが、北東の珠洲市側に向かう逢坂トンネルは塞（ふさ）がれたままで、珠洲市にとっては「飛び地」のような状態になっている。 　真浦町の住民で珠洲市側にある大谷小中の避難所に身を寄せる和田丈太郎さん（51）によると、地震前まで22世帯約30人が暮らしていたが、現在、同町に残るのは3世帯7人。住民は輪島市内の施設で水を工面しているという。　 　　●浄水場も復旧見通せず 　元々は珠洲市側にある清水浄水場（清水町）から水を引いていたが、浄水場そのものの復旧が見通せず、7月に珠洲市から輪島市に対し、配水管の整備・接続について打診があった。 　　●6日、輪島市議会承認へ 　計画では、輪島市町野町曽々木から真浦町まで配水管を新設し、町野町簡易水道につなげる。接続には輪島市議会の議決が必要なため、同市は6日の市議会臨時会で諮る。議案の承認が得られ次第、珠洲市は整備に取り掛かり、9月中の給水を目指す。 　珠洲市が今月2日に大谷小中で開いた住民との意見交換会で計画を示した際、住民から「（輪島市議会で）否決されたら大変なことや」との声が上がり、泉谷満寿裕市長は輪島側の理解を求めていく考えを示していた。和田さんは「水は命の問題だ。1日も早く復旧してほしい」と話す。 　清水浄水場の配水エリアは真浦町のほか、土砂崩れで同町からの道路が寸断された片岩町、清水町、仁江（にえ）町。3町も断水が続いており、珠洲市は可搬式の浄水施設を設置する方針だ。