「セダンにマッドガード」「灰皿」「回転シート」ってあぁ懐かしや! 昭和オヤジ感涙のほぼ絶滅装備6選
助手席ウォークイン機構
メーカーによって呼称が異なっていたとも記憶しているが、 2ドアモデルで広く採用されていた機構。助手席の座面後ろにペダルがあり、これを踏むと助手席背もたれが前へ倒れ、シートが1番前まで一気にスライドし、後席乗員の降車負担軽減を図るというもの。助手席背もたれ上部などにレバーがあり、このレバー操作でも助手席背もたれを前に倒し、シートを一番前にスライドさせることで後席への乗車負担軽減も図っていた。 なかにはリクライニングはさせずに、座面ごと前へ助手席が倒れるという機構のモデルもあった。トヨタGR86では現在でもウォークイン機構が採用されているほか、「2ドアクーペ」や「2ドアセダン」、「3ドアハッチバック」のラインアップが多かったころは便利装備として広く注目されていた。
回転対座シート&フルフラットシート
まだ「ミニバン」というものが一般化しておらず、「ワンボックスワゴン」などと呼ばれていたモデルに人気があったころにマスト装備だったのが、中席が回転して後ろを向くことで最後列シートと対座できるものと、運転席から中席、後席の背もたれを倒すことでフルフラットにできる機構。 しかし、対座させた場合、進行方向の反対側を向く中席に座ると、「クルマ酔いしやすい」といった話も聞いたことがある。中席と後席だけでフルフラットにすることができるのも一般的であり、走行中には子どもたちがゴロゴロ寝そべって車内で過ごすといったこともでき、便利とされていた。 国内ミニバンの先駆的モデルである初代トヨタ・エスティマ派生の、「エスティマ・ルシーダ&エミーナ」でも回転対座だけではなくフルフラットシート機構も採用する仕様があり人気を博していた。
マッドガード
「泥よけ」などとも呼ばれたマッドガードは、雨天時走行などでボディへの泥はねを抑止する実用効果のほか、大衆車クラスでは上級グレードで標準装備になるケースもあったりして憧れ的装備であったと認識している。筆者の家では1981年に4代目でシリーズでは最後のFRとなるトヨタ・カローラセダン1500GL(四ツ目ライト前期型)が納車された。ただし、標準状態ではマッドガードは未装備(SEとGTに標準装備)だった。 しばらく乗っていると、法定点検のタイミングで父親がディーラーオプション(標準装備のものと同じ)のマッドガードを装着させていた。装着すると、あるのとないのとでは見栄えがまったく異なり、「ちょっとグレードアップしたな」と、当時少年だった筆者も感じていたことを覚えている。 その後もしばらくはカローラクラスでは上級グレードのみ標準装備というケースが目立っていた。いまではオプションでも存在しないモデルが主流となっているようだ。 生活環境の変化(いまでは喫煙するひとは肩身が狭いなど)や、法規上の問題などでかつてはもてはやされたものが消えていくのはやむを得ないこと。「あのころはこんな装備があったなぁ」と懐かしむことができるのも、オジさん世代の特権と思い、筆者は思いをはせることがある。
小林敦志