『SAKAMOTO DAYS』杉田智和と島崎信長が語る、役者が人生をかけて積み上げた“芝居の厚み”「あらゆる物事が、芝居に繋がっている」
■近い感性を持つ2人、だからこそ見えるもの
――坂本さんがそうであったように、人は変化していくものだと思います。役者として長く活躍しているおふたりが、互いに変化を感じた部分があれば教えてください。 杉田:笑顔の向こうにある後ろ暗さ。それが長所になっている人物が、島崎信長さんだと思っています。彼はかつて、自分の“好き”を語るにあたって、それが周囲に与えてしまう影響について思い悩んでいました。なんて優しい男なんだと思いましたね。 島崎:いやいや(笑)。 杉田:今でもその根本は変わらず、悩みを自分なりの形で乗り越えて、より頼もしい存在になっています。性質が大きく変化したわけではなく、優しいまま“進化”したのが今の彼なんだと思っています。 島崎:僕から見た杉田さんも、同じ印象ですね。基本的なスタンスは変わってないけど、より進化した存在になっています。たぶん、杉田さんの中には進むべきロードマップみたいなものがあって、それを、アップデートを重ねながら進んでいるんじゃないかな。 たとえば、“好き”を発信する方法ひとつ取っても、若い頃はいろいろな手段を模索して、発信する内容も手探りだったと思います。勘所が掴めてきたら、その性質や、発信の方法も変わってきますよね。そんな感じで、常により良い形を目指して歩き続けている先達、というイメージがあります。 杉田:これは僕が勝手に思ってることなんですが、信長くんは僕と感性が近いような気がするんです。相談をしても基本的には優しく接してくれるけど、絶対に中核になる部分は曲げず、厳しい部分まで踏み込んでくれる。これって、本当に勇気がいる行為なんですよ。 島崎:杉田さんも、自分を偽らない人じゃないですか。だからそうした方がいいかなって。純粋に好きな気持ちに対して、いろいろなものが絡んで大変になる感覚は、僕もよく分かるので。 杉田:だから、無性に「信長くんと話したいな」と思う瞬間があるんですよね。自分の中の気持ちを再確認できるし、僕にとってもとても有り難い。 島崎:なんというべきか……。ありがとうございます!