『SAKAMOTO DAYS』杉田智和と島崎信長が語る、役者が人生をかけて積み上げた“芝居の厚み”「あらゆる物事が、芝居に繋がっている」
■杉田、断言「命が二択になったら必ず家族を優先する」
1月11日より放送開始となるテレビアニメ『SAKAMOTO DAYS』。週刊少年ジャンプで連載中の本作は、最強の殺し屋として名を馳せた主人公・坂本太郎が、家族を守るために戦うアクションコメディ作品だ。クランクイン!では、坂本太郎役の杉田智和と、朝倉シン役の島崎信長(※「崎」の正式表記は「たつさき」)による対談インタビューを実施。期待作の出演に向けた意気込みと、その見どころを語ってもらった。 【写真】杉田智和&島崎信長のインタビュー撮りおろしが満載! ――原作を読まれた際の感想を教えてください。 杉田:少年ジャンプを卒業しなきゃいけない年齢に差し掛かりつつある自覚がある中、年長者の主人公である坂本太郎という男に対しては、勝手に共感を持っていました。 この年齢になってくると、自分の視点を投影できる年齢感の主人公ってそう多くないんです。そういう意味で、彼が主人公をやっていることが嬉しくて、ずっと読んでいました。読者として楽しんでいた頃は、まさか自分が出演するなんて考えてもみませんでしたね。 島崎:殺し屋をテーマにした作品は数あれど、『SAKAMOTO DAYS』の世界観はかなり独特で驚きましたね。殺し屋の養成学校があったり、殺しの請負会社に就職してたり、殺し屋連盟に加入してたり(笑)。 杉田:一般人の倫理観がちょっとおかしいよな(笑)。 島崎:そうそう。こういった設定の作品はハードでダークなものになるイメージがあるんですけど、アウトローなはずの存在が社会人として普通に生きてるんです。で、そこにバッチバチに決まってるアクションが合わさって、唯一無二な作品になっていると思います。 ――各キャラクターの魅力や、演じる際に意識された点などを教えてください。 杉田:完成されていた存在に、ある日突然生まれた新しい要素。それを、過去のすべてを排してでも優先する、と決めたのが坂本太郎という男です。いかなる時においても“家族”が最優先になるけど、博愛精神でそうなってるわけじゃないから、命が二択になったら必ず家族を優先する。というわけで、すまんなシン。 島崎:シンも納得すると思いますよ。「それでこそ坂本さんです」って(笑)。 杉田:手を広げることが弱点を増やすことにもなるから慎重にならざるを得ないけど、坂本商店の店員もまた仲間の一員ではあるんだと思います。そういった姿も、坂本の魅力と言えばそうなのかもしれませんね。まぁ、この坂本に“命を選ばせる”状況を作るのは容易ではないと思いますが。 ――そんな坂本さんの背中を追うシンですが、彼自身の魅力はどういった部分にあるのでしょうか。 島崎:坂本さんへの敬意を原動力に動く姿とか、かわいらしさが最初に見えるシンの魅力ではありますよね。でも、彼の人生を真面目に考えてみると、相当な経験を経てきて今があるんですよね。パッと見の印象では“舎弟感”に重心を寄せたくなるんですけど、周囲を疑いながら孤独に殺し屋稼業を生き抜いてきた一匹狼の姿こそ、彼のニュートラルなスタンスなんじゃないかなと、僕は思っています。