全国区の人気商品となった駅弁「海苔のりべん」!郡山市の「福豆屋」が駅と歩んだ100年の物語とは…
一躍全国的になった「海苔のりべん」。 オープン前から行列必至のこだわりパン!意外な経歴をもつ店主が夫婦で営む西郷村の「ベーカリー プン」
JR東日本の駅弁頂上決戦「駅弁味の陣2018」では、最高評価の「駅弁大将軍」に選ばれた、今や全国に誇る逸品だ。
郡山産コシヒカリの「あさか舞」に乗っているのは、ふわふわのおかか!おかかは、創業当時から郡山駅で営んでいた「立ちそば店」のそばつゆで炒っている。
中には甘じょっぱ~い昆布の佃煮も入れ込むなど、とにかく「のり弁」のこだわっている。海苔が2層になっているため、どこを食べてもおいしい!
「見た目が地味」「肉を好む時代に逆行」など社内からは反対の声も上がったが、「幕の内弁当の三種の神器」と言われる「卵焼き」「焼き鮭」「かまぼこ」を入れて豪華に仕上げた。ほとんどが手作りで、卵焼きは毎日1枚1枚心を込めて焼いている。ぷるぷるで、ほんのり甘みもある、しょっぱい感じの卵焼きだ。
この「海苔のりべん」を生み出したのは、今年で創業100周年を迎えた郡山市の「福豆屋」。福島を代表する駅弁屋だ。元々は茨城県水戸市の和菓子店で、大正13年に郡山駅の構内で駅弁販売を始めた。創業当時は「助六寿司」を提供。郡山の食を支える企業が集まる郡山食品工業団地に本社を置き、鉄道と共に1世紀の歴史を刻んできた。 現在の従業員数は143人。駅弁などの弁当のほか、宅配給食や冠婚葬祭の料理などを手がけている。応接室には、歴代の駅弁のポスターがズラリと並ぶ。どれも、色とりどりで魅力的な駅弁ばかりだ。
実は「海苔のりべん」の歴史は意外と浅く、2010年にあるテレビ番組の新商品開発企画から誕生した。その時のヒントになったのが、専務の小林 文紀(ふみき)さんの母が作ってくれていた「のり弁」だ。4人姉妹の母である和子(かずこ)さんが、仕事に追われながらも毎朝作ってくれた弁当だった。 自宅にあるものを活かして、ご飯にたっぷりの海苔と醤油。それと大きな卵焼きだけだったが、愛情がたっぷりこもっていた。