全国区の人気商品となった駅弁「海苔のりべん」!郡山市の「福豆屋」が駅と歩んだ100年の物語とは…
そんな「海苔のりべん」が2021年にパワーアップ!「海苔のり弁887」だ。パワーアップしたのはお米で、あさか舞コシヒカリの最高峰「ASAKAMAI887」を使っている。一粒一粒が大きくて弾力があり、噛むほどに甘みを感じられる。そこに「松川浦産あおさ」が入った天ぷらや卵焼き、「福島県産牛」の甘辛煮など、より多くの県産品が色を添える。
高度成長期の昭和40年代には、郡山駅前に5階建ての本社を建設した。駅弁に欠かせない「割り箸」をイメージした外観だ。飲食業のほか土産店も営んでいたため、郡山駅前支店は終夜営業。磐越西線の猪苗代駅前や翁島駅前にも支店があった。 小林専務の祖母・ひささんが「駅に足を向けて寝るな」と話していたように、駅の構内で営業できることに誇りをもってきた。
1976年に父・邦利さんが、地元の企業と共に郡山食品工業団地を立ち上げるが、ここで「福豆屋」最大の危機が訪れる。それが1986年8月5日の「8.5水害」。台風の影響で郡山市内を流れる阿武隈川や逢瀬川の堤防が決壊し、食品工業団地一帯は大きな被害を受けた。 しかし、「『協力」は『強力』なり」という精神で食品工業団地同士のスクラムを組み、困難を乗り越えてきた。2011年の東日本大震災や2020年の新型コロナの危機も、この精神で打ち勝った。
本社前には、鉄道と共に歩んできた会社を象徴するかのように、「D51=デゴイチ」の車輪が堂々と展示されている。 「101年目が大事。生産者さんの気持ちをより深くお届けできるような商品を作っていきたい」と小林専務は意気込む。海苔の段を重ねるように「だんだんだん!」と、さらなるパワーアップを目指している。 Chu!PRESS編集部