【競輪】神山雄一郎「あれが引き金となって…」6月函館の失格で引退を意識 声を詰まらせて涙も
競輪界のレジェンド・神山雄一郎(56=栃木)が24日、都内で会見を開き、現役引退を表明した。 【写真】引退会見で涙を見せる神山雄一郎 88年デビューから史上最多のG1優勝16回、全G1・6大会制覇=グランドスラムなど、数々の金字塔を打ち立てた希代のレーサー。その大きな節目を見届けるため、多くの報道関係者らが会場に詰め掛けた。 神山は冒頭で「私は昨日までの取手競輪を最後に引退させていただく決意をしました。長い間、ありがとうございました」とあいさつ。「この日が来てしまったのか…という思いです。一生走り続けたいくらい競輪が好きだったので」と心境を明かした。 契機となったのは6月函館での失格。事故点が重なり、25年1月からのA級陥落が決まった時だった。「あれが引き金となって(引退を)考えさせられましたね。選手仲間から『神山さん、A級じゃん』と声を掛けられて、この半年間『いや~どうしよう』と思いながら頑張ってきました。家族や周りの人には相談していません。自分の中で処理しながら最近になって決断しました」。 最も思い出に残っているレースは「初めて特別競輪(G1)で優勝した地元宇都宮のオールスター(93年)」と振り返る。そして「ほかにもたくさん印象に残っています。きのうのレース(取手競輪でのラストランで1着)も。意外と落ち着いて走れました」と付け加えた。 話題がライバルや仲間に及ぶと、感極まって号泣。声を詰まらせながらも懸命に言葉を絞り出した。「自分の中では吉岡稔真君(G1優勝11回=引退)を勝手にライバル視していました。常に彼を頭の中に置きながら練習して、とにかく彼に認められたくて…。ライバルも仲間も、みんな財産だと思います」。 今後については、まだ決まっていないという。「まずは家族との時間をゆっくり過ごしてから、自分のキャリアを生かしたい。自分の姿勢や後ろ姿を見て、学んでもらえたらうれしいです」と笑顔で後進へメッセージを送った。