ハーブの「育てどき」に異変、秋冬からの栽培がおすすめな理由 寒くなってからの工夫も ハーブと暮らす~秋
暑い季節が尾を引くようになり、ハーブの育て方にも工夫が必要になってきました。その一つが、寒くなりゆく秋冬に栽培を始めるという方法。豪雨や高温によるダメージを受けずに、ゆっくりと育ちます。 【画像】ハーブをまとめて作ったブーケ「タッジーマッジー」中世ヨーロッパではお守りのように用いられていた ハーブ農園で育てたルッコラは、初秋が最盛期。なのに今年は9月に真夏日や猛暑日が相次いで収穫量が減り、パクチーも暑さで弱り切りました。 そんな不作を挽回できるのが、秋から始めるハーブ栽培です。本来のベストシーズンは春先ですが、実は秋ならではのメリットがあります。 ■草むしり少なく 春とは違い雑草が繁殖しにくく、草むしりの手間(別名・雑草との闘い)が減ります。また大雨に見舞われて苗が傷んでしまうリスクも、ぐんと減ります。 おすすめはパクチー、ルッコラ、イタリアンパセリ、ディルです。これらはハーブの中でも寒さに強い品種です。種をまいて育てれば鍋の具材にできるほどたくさん収穫ができます。 植えどきは、気温が20度前後、風のない午前中をおすすめします。風で種が吹き飛んだり、種まき後の水やりで土が冷えすぎたりしないようにすることが大事です。 発芽までは日陰で管理しながら、毎朝水を与えましょう。常に土の表面を湿らせるようにします。双葉が顔を出したら、以降は水やりを週2回程度に。1カ月半~2カ月たつと、鍋やサラダにできるほどに成長します。 ■「保温」で冬越し 秋冬のハーブ栽培は、適切な「冷え対策」を苗に行うのがポイントです。 避けるべきは、夜間の冷え込み、冷たい風、霜や雪-です。苗を守るため、秋冬は地植えではなく、小ぶりなプランターでの栽培がおすすめです。うららかな日は日光にあて、雨や雪の日は軒下などに移動させて育てます。キーワードは「覆う」です。 収穫後、12月中旬を過ぎた頃から葉や茎は枯れて、休眠期に突入します。多年草だけでなく1年草でも冷え対策を続ければ、土の下で株が生き続け、根に養分を蓄え、春に新芽を出す準備を進めることがあります。これを「冬越し」と呼びます。 冬越しの間の水やりは、月2回程度が目安です。また風や雪、雨を避けて室内にプランターを置く場合は、気温が低めで一定な玄関や廊下など、暖房のあたらない場所にしましょう。