クマに襲われた現場を緊急点検 住宅街出没の理由は【長野・高山村】
今月、高山村で女性がクマに襲われて重傷を負いました。現場は車の行き来も多い住宅街。そんな場所になぜクマが現れたのか。専門家が現地を調べました。 青いジャンパー姿の男性はクマの研究をするNPO法人の代表です。県の職員と話をする途中も車がひっきりなしに行き来する住宅街。 8日早朝、ここで新聞配達中の女性がクマに襲われて重傷を負いました。 ■ツキノワグマ研究会・岸元良輔代表 「わなどっか仕掛けてる?」 ■県職員 「まだしてないですね、ここはやりようがない」 ■ツキノワグマ研究会・岸元良輔代表 「あまり誘因物はなさそうですね。あればもっと目撃されていると思う」 この女性を含めて人がクマに襲われてけがをする事故が、今月だけで4件発生。 県は出没情報があった場所を専門家に調べてもらい、土地の所有者などに対策をアドバイスする緊急点検を始めました。 今回の現場は本来は臆病なクマが出没するのは珍しい住宅街です。 専門家はいくつかの可能性を指摘します。 ■ツキノワグマ研究会・岸元良輔代表 「クワとか桜の木とかそういう所にあって、あるいはこっちの方にあって、そこに餌づいて、夜に餌づいて帰る前にこういうやぶの中に潜んで」 若いクマが新たな生活場所を探す中で、住宅街に迷い込むこともまれにあるそうです。 また、注目したのはこの場所。 ■ツキノワグマ研究会・岸元良輔代表 「上ると思いますよ、上っちゃうと思いますよ。一応爪がひっかかるところがあるし。 結構ジャンプ力があるから」 ■県職員 「あー上れちゃうんだ」 山から川をつたって下りてきた可能性もあるそうです。 この地域では野生動物の対策として電気柵を設置。 この電気柵や、クマが潜めるやぶを刈り払うことが有効な対策です。 ■ツキノワグマ研究会・岸元良輔代表 「今回はたまたまですね、運悪くああいうところに入り込んでですね、事故になってしまったということ」 県は来月まで各地でこうした点検を続けます。