夏の全国王者が手繰り寄せた2試合続けての逆転勝利。2024年を『昌平の年』にするためのリスタート 高円宮杯プレミアリーグEAST 昌平高校×尚志高校マッチレビュー
玉田監督も“日本一の監督”という立ち位置については、指導者としての手応えにも繋がったようだ。「メチャクチャ自信になりました。自分がやってきたことがこうやって優勝に繋がったことは凄く嬉しいですし、自信にもなってきますし、そうするとより課題も見つかって、こうすればもっと良くなるという意欲にも繋がるので、非常に良かったですね」。課題を見つけ、成長を促し、結果に繋げる。今年の昌平は監督を筆頭に、このサイクルがしっかりと機能している。
インターハイ、プレミアリーグ、高校選手権。高校年代三冠を手にする権利は、彼らだけが持ち合わせている。それでも、まず大事なのは次の1試合。「常に目の前のことに対してしっかりやらないと、4か月後にどういう姿になっているかというのは見えないでしょうし、日々の積み重ねの先で良い結果が待っているのかなと。まあこういうプレッシャーも僕は好きなので、そういうプレッシャーも楽しみながら、選手をリラックスさせる状況を作りながら成長していければいいなと思います」(玉田監督)
キャプテンの大谷の言葉が、選手たちの今を過不足なく代弁する。「日本一になったからこそ、『また日本一になりたい』という気持ちもあるので、1回獲っただけではまだ全然足りないですね。選手権も獲ったら『今年は昌平の年だったな』と思われるので、プレッシャーもありますけど、しっかり県予選を勝ち抜いて、日本一に向かって1試合1試合油断せずにやりたいです」
夏の日本一は、さらなるタイトル獲得への渇望感を連れてきた。再開したプレミアリーグではいきなりの2試合連続逆転勝利と、確かな進化の跡を感じさせている。残された二冠への意欲も十分。2024年を『昌平の年』にするためのリスタート。逞しさを増した彼らが続ける進撃は、そう簡単に止まらない。
土屋 雅史
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