【アルゼンチン共和国杯】7歳馬クロミナンスがWコースで迫力満点にラスト11秒6
アルゼンチン共和国杯の追い切りが30日、東西のトレセンで行われた。美浦ではクロミナンスが雨で渋った馬場を苦にすることなく、力強い伸び脚をアピール。3度の骨折による長期休養があったため、7歳でもまだキャリア13戦と伸びしろを秘める。ここで重賞初制覇を飾り、GⅠへの足掛かりとしたい。 ◇ 遅咲きの素質馬が、雨中の美浦Wコースで輝きを放った。7歳馬クロミナンスが迫力満点の追い切りを披露。見守った尾関調教師は、満足げな表情で切り出した。 「いい動きでしたね。ちょうどいいくらいに気合も乗って、最後の反応も良かったです。力を出せる感じに仕上がりました」 雨が降りしきる午前10時前に登場し、道中は単走でリズム良く運んだ。直線に向くとストライドを広げて一気に加速し、馬なりで6ハロン82秒4-11秒6をマーク。時計のかかる馬場だったことを考慮すれば、上々のタイムだ。当初は産経賞オールカマーや京都大賞典を使うプランもあったが、デキが上向くまで待機。1週前には同コースで5ハロン65秒7-11秒4としっかり攻められており、始動戦から態勢は万全だ。 早い段階から「重賞に手が届く感触はあった」というほどのポテンシャルを秘めていたが、3度の骨折を経験。オープン入りは昨年11月と出世が遅れた。しかし、脚元の不安が解消したことで能力をフルに発揮できるようになり、今年はAJCC3着、日経賞2着、目黒記念3着と重賞戦線で存在感を示している。トレーナーは「キャリア14戦目でまだ馬体が若い。今は脚元の不安はないし、スムーズに立ち上げてこられた」と好感触だ。 芝2500メートルは重賞で好走している得意距離。2走ぶりにコンビを組む戸崎騎手は「すごく操縦性がいいし、折り合いも問題ない。上体が起きて走る馬なので、馬場が渋っても大丈夫じゃないかな。少し(手綱を)抱え気味で運びたい」と手応えを口にした。指揮官も「まずはここでしっかりと頑張ってもらって、大きい舞台に行ければ理想だね」と期待を込める。結果次第では、ジャパンCや有馬記念への道も見えてくる。ひのき舞台に立つべく、まずは始動戦で重賞初Vだ。(綿越亮介)