「自民意識で“背骨”がない」都民ファースト議会改革、本格始動で公約検証
都民モニター制導入などさらに工夫を
「専門家など、参考人の活用」「公聴会の実施」といった住民参加を意識した内容が加わっていますが、さらに工夫を求めます。 「町田市議会のように請願陳情者が発言できるようにしたり、公募して議会や議論の中身をみてもらう都民モニター制を導入してもいいのでは」 日本で最も予算的にも恵まれた都議会だからこそ、充実を期待したい項目としては「常任委員会のインターネット中継」と「電子議会化し、議会をペーパレス化」を挙げました。 「ネット中継のとき、議会で話し合われている内容の資料が、すぐ取り出せるシステムを取り入れてほしい。これはまだほとんどの議会が導入できていないので、ぜひ一番予算がある東京都議会で実現して」 「電子議会化も、実現できた場合は、印刷代や職員人件費などどんな効果があったか見せることが大事。そしてそのときに、離れたところからも会議に参加できる、万一被災したときに携帯電話とは異なる連絡手段として発揮できる、といったペーパレス化以外の効果も示してほしいです」と期待します。
ベースとなる議会改革の基本姿勢が欠如
最後に、中村事務局長は14項目全体の評価として「今まで都民が多く持っていた不満のところ、都議会を透明化したいというところはわかる」。 ただし「そもそも都議会をどんな風にしたいという背骨のところ、基本姿勢をつくる作業が必要で、それがないと前の議会の不満を並べただけになってしまう」と、肝心の議会改革で目指すベースとなるものが書かれていないことを問題視しています。 また、透明化のためにも「都民や専門家、さまざまなメディアが都議会に入りやすい環境に議会運営の規則を変えること」を重視。「都民ファーストは、運営規則など要綱を修正改正できる人数を確保できたのですから、具体的に変えていってほしい」と第1党として、掲げた議会改革を可能なことから実現していくことを求めています。 もうひとつ不安視するのが、小池知事との「距離感をどう担保していくか」です。 「選挙前、都議会は、都政をチェックできていない、知事と仲よしこよしだった点と、都民に向いていないという二つの批判があった」と指摘。新たに「知事の反問権」が項目に入れていましたが、「執行部への対案を出せるような議会をどうつくるかが、盛り込まれていない」。 「議会が独自の調査研究環境を整え、知事の監視機能と、都民の意見を議案に吸い上げる政策立案をしなければ、石原都政や舛添都政のときと何ら変わらない」と話しています。