憲法の“両性”は同性カップル含む?ゲイ公表の弁護士が「画期的」と評す東京高裁「違憲判決」【同性婚】
■「いつか同性婚が実現しなあかん」自分以外の人にどれだけ優しくなれるか
庭野:政府の見解を見てみますと、現行憲法のもとでは同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていないという立場なんですね。自民党内にも、「日本の伝統的な家族のあり方が変わってしまう」という根強い慎重論があり、なかなか国会で審議が進まないでこのままずっと来ているということなんですが…。 南:ぶっちゃけ、(当事者以外には)関係ない話でもあるわけですよね。選択的夫婦別姓だったら、「妻から“やっぱり名字を元に戻したい”と言われたらどうしよう…」みたいな感じで、(異性愛者であっても)自分自身の結婚とダイレクトに関わってくる可能性があるけれど、同性婚は、しない人はしないし、する人はするから、関係ない人の話なわけですよね。だから、自分以外の人の家族のあり方について、それを受け入れて、「自分が自分の家族を大事に思うように、あの人の家族も大事にしたいな」というような、自分以外の人のことでどれだけ優しい気持ちになれるかという話なので、家族観が変わるというのはすごく詭弁(きべん)と言いますかね。 庭野:さらに議論を深めていくにはどういうことが必要だと思われますか? 南:難しいですね。知らないことについて「教えて」と言える気持ちであるとか、自分が知らないだけに人を傷つけたり、間違ったりしたときに「ごめん」と言える気持ちを持って議論しようというところかなと思います。 庭野:攻撃して相手を貶めることで自分の議論を有利にするみたいなことがありますよね。 南:そういうことをすると結局誰も幸せにならないと思うので。僕はいつか同性婚が実現しなあかんっていうのは、正直“確定的な結論”ぐらいに思っているんですよ。 庭野:大昔は家父長制で家に“嫁に入る”とか、“婿に入る”は、そうじゃない。「平等の2人が結婚しましょう」というふうには(法律は)できたと思うんです。 じゃあその“平等の2人”というのが誰かといったときに、異性愛者の人もいれば同性愛者の方もいるし、あるいはそもそも結婚しないという人もいるわけです。やっぱり誰もが、不都合があったり認められていなかったりと悩み続けるとか、隠し続けるということはないようにできるといいなと思います。
■Talk Gender~もっと話そう、ジェンダーのこと~
日テレ報道局ジェンダー班のメンバーが、ジェンダーに関するニュースを起点に記者やゲストとあれこれ話すPodcastプログラム。MCは、報道一筋35年以上、子育てや健康を専門とする庭野めぐみ解説委員と、カルチャーニュースやnews zeroを担当し、ゲイを公表して働く白川大介プロデューサー。 “話す”はインクルーシブな未来のきっかけ。あなたも輪に入りませんか? 番組ハッシュタグ:#talkgender