廃棄イモ皮、チョコに 生徒ら開発 文化祭500個販売へ 江戸川学園取手中高 茨城
茨城県取手市西の江戸川学園取手中学・高校の調理同好会が、干し芋の製造過程で出た、本来は廃棄されるイモの皮を活用した「SDGsチョコレート」を開発、12、13両日の同校文化祭で販売する。利益は全額をフードバンクに寄付する。食品ロスなど食の問題に関心を持ってもらう。 同好会は毎年、食関連の社会貢献プロジェクトに取り組んでいる。本年度は授業でも学び、身近な存在になっているという「SDGs(持続可能な開発目標)」を導入した。地元企業との商品開発に挑むことになり、市内に工房を持つチョコレート製造販売会社「寺沢製菓」の協力を得ることができた。 地産地消もテーマに設定。茨城県特産物の活用を議論し、干し芋に決まった。製造過程を調べると、原料イモの皮が捨てられている現状を知った。加えて、皮をフレークやパウダーに加工し、商品として販売する生産者の存在も把握した。同好会はこの商品を購入し、チョコに混ぜたオリジナル品開発に乗り出した。寺沢製菓からアドバイスをもらい、試作から原価計算、販売戦略を進めた。 10月上旬には同社の工房を借りてSDGsチョコを製造した。12、13両日に同校で開催される文化祭で3種類のチョコを計500個販売する。フレーク入りのミルクチョコとパウダーを混ぜたホワイトチョコは各500円以上、校章をかたどった限定品は700円以上。利益は全額を「フードバンク」に寄付する。そのため最低価格とし、実際の値段は購入者に委ねる。 部長で高校2年の大場悠太さん(17)は「チョコを通じ、フェアトレードや食品ロスなどを考えるきっかけにしてほしい。干し芋とチョコの異例の組み合わせも楽しんでほしい」とし、完売を目指す。
茨城新聞社