GLAY・TERUが語るバンドの哲学とサマーソニック 「伝説の地」幕張に再び立つことの意味
サマーソニック初出演の意義
─GLAYはここ数年で、驚くような人たちとのコラボも増えています。これはどういった思いからのことなんでしょう? TERU:HISASHIがやりたいって言ってサクライケンタ君にお願いしたり、中心となって動いてくれていて。Tomi Yoくんは僕が本当に好きで、Facebookのメッセージで直接お願いしました。いきなり会社からメッセージがいくと失礼かなと思って自分で送って(笑)。80KIDZもそうですけど、メンバー発信でチャレンジしたいことに対して、いろんな人たちをチョイスしてお願いする。流行っている流行っていないとかじゃなくて、自分たちが絶対この人たちとやりたいってことに挑戦している感じですね。 ─TERUさんは、普段音楽リスナーとしてはどういう視聴経験をされているんでしょう? TERU:函館に自分のスタジオを構えてから6年経つんですけど、最初の頃は自分の好きな音楽をずっと日常的に聴いて過ごしていました。最近、レトロなステレオをリサイクルショップで見つけて買ったので、1日中ジャズを聴いたり、そういった音楽に触れ合う機会も多くなってきています。一方で東京にいると、なんとなく音楽を耳から入れたいという気持ちにならないというか。それよりも日常のニュースとかを欲してしまう。僕は穏やかな環境にいるときに音楽を聴きたくなるみたいです。 基本的に新しいものを探すことはしないですね。でも、ニュースで見かけて気になったものに関しては、配信で聴いたりしています。マネスキンとかもそう。格好いいバンドが出てくると聴きたくなることは多いですね。 ─マネスキンは、今年のサマーソニックにヘッドライナーとして来日しますね。 TERU:嬉しいですね。(イタリア北東部の)ヴェネツィアにガラス工房を持つ土田康彦さんと15年来の親友で、家に遊びに行ったとき、音楽のコンテスト(ユーロヴィジョン)を教えてくれて、「このバンドは絶対、最後まで残るから!」と言っていたんです。それで実際、(イタリア出身の)マネスキンが1位になって。そういうところから音楽が繋がっていくのも面白いですよね。 ─今年2月にはクイーンの42年ぶりとなる札幌公演のスペシャルゲストとしてGLAYが出演しました。そのときのライブ音源も『whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)- / シェア』に収録されていますけど、ライブを振り返ってみていかがでしたか? TERU:ご褒美ですね、本当に(笑)。昨年の12月頭ぐらいから、もしかしたらクイーンからオファーが来るかもしれないと聞いて、メンバーでどうする?って話していたんですよ。もちろん無条件でやるでしょ!みたいな。1月の頭ぐらいに正式オファーが来たので、ミリオンを獲ったシングル曲だけで構成したセットリストで臨んで。高校時代、友達がクイーンを大好きで。寮だったんですけど、毎日遊びに行っていたらクイーンが流れているような環境で、僕も大好きになったんです。もしかしたら一緒に歌えたりするのかな、みたいな欲もありました(笑)。さすがにそれは叶わなかったですけど、バックステージで一緒に写真を撮ってもらったりもして。僕らが学生の頃から見てきたブライアン・メイもロジャー・テイラーも健在で、すごいなと思いながら見ていました。 ─まさにTERUさんもキッズのような状況で楽しんでいたんですね。 TERU:あと、GLAYのデビューのきっかけになったのがYOSHIKIさんなんですけど(デモテープが認められ、94年のデビュー曲「RAIN」をYOSHIKIがプロデュース)、その頃にミュージックステーションで、YOSHIKI & ROGER TAYLORと一緒に出させてもらって。そうした縁もあったので、30年ぶりにちゃんとお会いできたのも嬉しかったですね。 ─シングル曲だけで構成したとおっしゃっていましたが、すごいセットリストですよね。 TERU:そうですね(笑)。初めてGLAYを観る人たちに対して、名刺を渡すようなセットリストだったと思います。ファンの方たちも本当に優しくて。「こういった曲があって、一緒に歌うシーンがあると思うのでぜひ聴いてください」ってファン同士の交流がSNSであったりもしたので、すごくいいコラボになったんじゃないかなと思います。 ─その話でいくと、サマソニへの出演もびっくりしました。 TERU:どうなるんでしょう(笑)。 ─GLAYにとってバンド史上初の夏フェス出演になるんですよね。どうして今、出演を決めたんでしょう? TERU:もともと30周年だし夏フェスに出てみたいねって話をしていて。どのイベントがいいのか考えた結果、サマソニがいいんじゃないって。いろんな夏フェスがありますけども、サマソニに絞ったのはJIROの意見だったりして。僕らもよくサマソニは観に行っていて、本当にいいイベントだと思っていますし、楽しみにしています。 ─夏フェスに初めてかつ、デビュー30周年で出るのは、どんな心境なんでしょう。 TERU:バンドが主体となったイベントーーそれこそVISUAL JAPAN SUMMIT(※2016年にX JAPAN、LUNA SEA、GLAYが共演)だったり、YOSHIKIさん主宰のエクスタシー・サミットなどに出してもらって雰囲気を味わってはいるんですけど、これまでは仲間内のフェスが多かったんです。今回に限っては、知らない人が多すぎて、一体僕たちはどうなってしまうのか不安はありますけど、音楽と夏のお祭りが大好きな人たちが、気軽にGLAYを楽しんでもらえるような環境を作りたいなと思います。 ─セットリストはもう決めているんでしょうか? TERU:HISASHIが「俺が決めていい?」と名乗りを上げまして(笑)。なので、シングルだけの構成には絶対ならないですね。ちょっとひねった感じで来るんじゃないかなと思います。HISASHIのことだから、いろんなバンドが好きな人たちが楽しめるようにアプローチした選曲が来るんじゃないかな。クイーンとやった時とはまるで違うテイストになるんじゃないかなと思うので、楽しみにしていてほしいですね。 ─サマソニの出演者で気になる方はいますか? TERU:最近SUPER BEAVERの(柳沢)亮太くんと曲を一緒にやったので(「はなむけ」)、彼らは楽しみですね。あと、Tempalayのドラムのナツキ君(藤本夏樹)とたまたまカフェでお会いしたとき、「僕らもサマソニ出るんですよ」という話になって。同じ出演日になったので、そこも盛り上がりたいなと思います。BAND-MAIDも、小鳩(ミク)ちゃんとよく話したりするので楽しみです。あとは初対面の人ばかりですね。 ─サマソニで色々交流が生まれることも期待しております。 TERU:楽しみです。出番が終わったらバックステージで飲んでいるかもしれないので、気軽に声をかけてほしいですね(笑)。 ─若いオーディエンスの目には、「こんなにかっこいいバンドがいるのか」って新鮮に映るんじゃないかなと思います。 TERU:最近のライブでは、GLAY世代の方の息子さんや娘さんの世代、大学生くらいのファンも増えているんですよね。そう考えると、初めて観る若い世代の子たちにも楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。最初の話じゃないですけど、少年期の終わりの場所に30周年で再び立つことができる。GLAYは何事もやってみないと始まらないって考えで活動しているので、今回夏フェスに出てみて、あまりにも楽しかったら「来年もやりたいね」ってなるかもしれないし、次に繋がるきっかけになってほしいなと思います。 ─最後に、30周年イヤーがはじまったばかりですが、どのような1年にしていきたいですか? TERU:支えてきてくれたファンの子たちが心から楽しめる1年にできたらと思っています。「行きたいけどチケットが取れなくて」という声も聞こえているので、より大きな会場で、よりたくさんライブをやっていきたいですね。 --- SUMMER SONIC 2024 東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ ※GLAYは2024年8月17日(土)18:35~MOUNTAIN STAGE出演 『whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)- / シェア』 配信中 Digital Single「会心ノ一撃」 ※TVアニメ「グレンダイザーU」オープニングテーマ 配信中 『GLAY 30th Anniversary Museum』 会場:三越前福島ビル (東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル) 日程:2024年9月6日(金)~9月23日(月・祝) 営業時間:土日祝/10:00~20:30、平日/11:00~20:30 『GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME』 Blu-ray / DVD 2024年9月18日(水)発売 GLAY 17th Album『Back To The Pops』 2024年10月リリース [Alexandros] presents THIS FES ’24 in Sagamihara 会場;相模原ギオンフィールド ※GLAYは2024年10月26日(土)に出演 GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025 “Back To The Pops” Presented by GLAY EXPO 2024年11月8日(金)大阪府 大阪城ホール 2024年11月9日(土)大阪府 大阪城ホール 2024年11月16(土)長野県 長野ビッグハット 2024年11月23日(土・祝)北海道 北海きたえーる 2024年11月24日(日)北海道 北海きたえーる 2024年12月7日(土)東京都 有明アリーナ 2024年12月8日(日)東京都 有明アリーナ 2024年12月14日(土)愛知県 Aichi Sky Expo ホールA 2024年12月15日(日)愛知県 Aichi Sky Expo ホールA 2024年12月21日(土)広島県 広島サンプラザホール 2024年12月22日(日)広島県 広島サンプラザホール 2025年1月3日(金)福岡県 マリンメッセ福岡 A館 2025年1月4日(土)福岡県 マリンメッセ福岡 A館 2025年1月18日(土)神奈川県 横浜アリーナ 2025年1月19日(日)神奈川県 横浜アリーナ
Hiroo Nishizawa