中国で野生のトラが農民を襲撃。一部始終を捉えた防犯カメラの映像が拡散
中国北部で、農民の男性がシベリアトラに襲われかけた。絶滅危惧種に指定されているシベリアトラが、現地で目撃されたのは初めてだという。男性に襲いかかる瞬間を防犯カメラの映像が捉えた。 【実際の映像】シベリアトラが男性に襲いかかる瞬間
中国北部・黒竜江省勃利県で11月18日、農民の男性がシベリアトラに襲われかけた。防犯カメラの映像には、外を走るトラの姿を確認した男性が門を閉める様子が映っている。するとトラが門に向かって突進、男性は慌てて逃げた。トラは門をゆがませたものの、それ以上の攻撃はせずに去っていった。
ロイター通信によると、男性2人がシベリアトラに襲われたと国営メディアが報じた。65歳の畜産農家の男性(65)は左手を噛まれ、重傷を負った。男性の息子が地元ラジオに出演し、2頭のトラが逃走中だと話したが、実際の頭数や両事件に関与したトラが同じ個体であるかは明らかになっていない。
中国の国営オンラインメディアによると、同県で野生のシベリアトラの姿が確認されたのは初めてだという。国家林業草原局は同日に開かれた緊急会議で、同県はシベリアトラの主な生息地ではないことから「特別な注意とより強力な危険防止措置」が必要だと述べた。
ネコ科最大の生物シベリアトラ(別名アムールトラ)は、 IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。国家林業草原局によると、中国での野生のシベリアトラの個体数は近年増加しており、約70頭が生息しているという。