賛成か反対か 都構想案説明会で市民は複雑な心境!?
賛成と反対のはざまで揺れるもどかしさ
説明会終了後、60代男性は「大阪都構想の内容はよく分かったし、都構想自体も評価できるが、現時点では大阪都への移行は時期早々だと思う」と、声を絞り出す。「市民の多くが納得するには、議論が十分ではない。橋下さんのリーダーシップはすばらしいが、反対派ともしっかり協議を重ねられるほど、もうひと回り器が大きくなってくれれば、安心して賛成できるのだが」と、期待含みで注文を付ける。 「橋下さんの説明は分かりやすかった。大阪都構想はありかも」と話すのは、30 代女性。都構想賛成に傾きながら、『かも』が付くのは、「本当に計画通りに実現するのか疑問が残る」から。「投票日までに反対派の主張も聞いて、最終判断します」と、長考作戦の可能性をにじませていた。 東京都内に暮らした経験を持つ50代女性は「大阪でも強いリーダーが特色ある行政サービスを実現してくれるのは頼もしい」と都構想に理解を示す。同時に「特別区の区長に権限が集中しすぎると、実行を急ぐあまり、独断的区政にならないか、ちょっと心配」と、不安をのぞかせる。 橋下市長の都構想案の説明に、真剣な表情で耳を傾ける市民たち。市長自身の説明は説得力があり、市民の理解度が高まる半面、スピード重視の政治手法への違和感や経験のない大変革断行に対するおそれなどが、最後までぬぐいきれない。 賛成と反対のはざまで揺れ動くもどかしさ。住民投票まで1カ月を切り、市民がギリギリの局面で都構想案と真正面から向き合い始めたようだ。住民説明会の開催予定などは大阪市の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)