賛成か反対か 都構想案説明会で市民は複雑な心境!?
1時間あまりにわたって熱弁をふるう橋下徹大阪市長
大阪都構想案の是非を問う5月17日の住民投票に向け、都構想案を解説する大阪市の住民説明会が14日から連日開催されている。どの説明会も内容はすべて同じものだが、今回は22日午後に実施された住吉区の住民説明会の様子をお伝えする。橋下徹市長自身が1時間あまり説明し、参加者たちが熱心に聞き入っていた。説明会終了後、参加者からは都構想案に賛成とも反対とも決め切れない複雑な心境をのぞかせる意見が相次いだ。
市長自身が1時間あまり熱弁
会場には定員の約600人が詰めかけ市担当者が会場で配布したパンフレットに沿って、都構想案に基づき大阪市をなくして5つの特別区を設置する改革案の概要を説明。その後、橋下市長が登壇し、1時間あまり熱弁をふるった。 橋下市長は都構想の提案者の立場から、3つの提案理由を挙げた。第1に「府、市の仕事を整理し、役割分担をして二重行政をなくす」。府立大学と市立大学、府立病院と市立病院などを例に取り上げ、「ふたつの施設のうち、ひとつをつぶすのではなく、ひとつにまとめることで、総務、経理部門などの経費を削減できる」。 そのうえで、府立大学と市立大学が統合され、将来的に大阪都立大学になると、「神戸大学クラスの総合大学ができる。強い大学はまちの魅力になる」と強調した。 第2に「広域行政を府に一本化し、施策をスピーディに決めて強力に進めていく」。空港へのアクセスを含めた首都圏の交通ネットワークの充実ぶりと、大阪の交通網の立ち遅れを比較しながら、「大阪全体が国際的な都市間競争に打ち勝って発展するためには、府、市の垣根を越えて、長期ビジョンに立ったまちづくりが欠かせない」と訴えた。 3つ目は「身近な行政サービスは、5つの特別区で、もっとていねいに、細やかに」。大阪市と人口規模でほぼ同じ広島県の場合、公選首長が23人に対し、大阪市は市長がひとり。大阪市長はすべての行政ニーズにひとりでは対応できないため、これまでは市民サービスが「雑すぎた」と指摘。「どこに保育所を設置すればいいかなど地域の実情に精通し、選挙で選ばれた特別区の区長に十分な権限と財源を与え、もっとていねいでこまやかな住民サービスを実現できる環境を整えたい」と力説した。