「クルマ良い感じ!って初めて言いました(笑)」山下健太、猛暑の中記録した2番手タイムにかつてない自信。SF後半戦台風の目となれるか?
富士スピードウェイでは7月7日よりスーパーフォーミュラのインシーズンテストが行なわれている。初日を2番手で終えた山下健太(KONDO RACING)は、相当な手応えと自信を感じているようだ。 【リザルト】スーパーフォーミュラ富士公式テスト:セッション2タイム結果 昨年から実施されている富士でのインシーズンテストは、シリーズ後半戦に向けて勢力図に大きな影響を与える可能性がある重要なテストと言える。昨年、前半戦で不調だったDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが富士テストを機にトップグループに加わったのはその好例だ。 山下は昨年、第2戦富士での涙の表彰台を皮切りに前半戦こそ安定して上位に入っていたものの、後半戦以降はやや息切れした感が否めず、ランキング8位でシーズンを終えた。昨年の富士テストについて山下は「あまり良いものを見つけられませんでした。若干は向上しましたが、それ以上に何かを見つけてきたチームがあった印象でした」と振り返った。 今季も開幕戦鈴鹿で2位に入るなど幸先の良いスタートを切った山下だが、春先とはダウンフォースの出方も異なる夏の高温コンディションでもパフォーマンスをキープできるかどうかについては懸念を示していた。そして今回の富士テスト初日は、気温が30℃台中盤に入るという猛暑。懸念を払拭する上では絶好のチャンスと言えた。 そして山下は初日午後のセッションで、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に次ぐ2番手タイムをマークした。テストを終えた山下にその感想を聞くと、いつになくポジティブな言葉が口をついて出てきた。 「かなり自信になりましたし、無線で『なんか、クルマ良い感じですね』って初めて言いました。チームからも『珍しいね』って言われました(笑)」 「これだけ暑い中でこれほどのポテンシャルを出せたのも、初めてに近いです。乗っていて良い感触でした」 また山下は、今回のテストで試したセットアップの方向性は、これまでにも試してみたいと考えていたものだという。しかしながらスーパーフォーミュラのレースウィークでは練習走行の時間も限られており、使えるタイヤのセット数も限られている。まさにこの富士テストを好機として試したところ、現状では“当たり”を引いたような状況か。 「ここ数戦で『こっちの方向性かな』というものは見えていましたが、(レースウィークでは)タイヤのセット数も限られていて、明確に分からない部分が多かったです。今回はその方向で行ったり来たりと試して、良い感触が得られました」 なお、テスト2日目(最終日)に向けて山下は、ロングランの走行プログラムはしない方向だという。「今日は良かったですが、もう少し詰められる部分もあると思います」とのことで、更なる精査をしていく構えだ。
戎井健一郎
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