働きたくても働けない40~50代前半が「完全に見捨てられている」雇用の打開策は?「1回、お試しでもいいから働かせて」
■人手不足もある中で転職、再就職はどうすれば?
氷河期世代が改善されない待遇に悩む裏側で、人手不足も深刻な問題となっている。阿部氏は地方の人手不足が深刻化している現状を指摘する。「正社員であっても足りないという声がかなりある。そういったところは若い人も欲しいが、1個新しいスキルをつけた人を送り込むということを考えてもいいと思う。その際に長期的な訓練がどうしても必要になる。ヨーロッパだと積極的労働市場政策といって、訓練を受けている間は現金給付をしっかりする」と人材育成の必要性を訴えた。またロスジェネ世代は、若者にはない親の介護などの問題もある分、深刻だとした。「このままロスジェネ世代が貧困化していくと、親の介護もあるし、親が倒れた時に共倒れして、世帯自体が貧困化していく」と述べた。 小島氏は、氷河期世代の選択肢が極めて限定されていたことを指摘する。「自己責任という言葉があるが、それは例えば株式投資だったら、いろいろ選択肢がある中で自分が選んで買った株が自己責任というのはわかる。でも氷河期世代はそもそも選択肢がない中で選べない世代だった。その選べない物の中から、仕方なく妥協して選んだものでうまくいかなかったとしても『それは自己責任』というのは、ちょっとおかしい」と疑問を呈した。 また職業訓練については「職業訓練給付金は、45歳以下なら10万円が毎月もらえるが45歳を過ぎるともらえない。完全に見捨てられている状態になっている。しかもテキスト代が高いものになると10万円とかする。金銭的な問題で職業訓練が受けられないという人もいるので、そこはぜひ改善していただきたい」と求めた。さらには「1つ言えるのは、今の日本の雇用制度が新卒偏重。例えばリーマンショックとかコロナとかで不況になると、その度に採用が減らされる。同じことをずっと繰り返すことになる。そもそも日本の雇用システムを見直した方がいいのではないか」と述べていた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部