「六花亭」「イシヤ」「ロイズ」北海道を代表する三大銘菓が愛され続ける理由とは?
挨拶代わりの手みやげから、大切な人へ思いを伝える名品まで、贈り物賢者たちが選ぶ650点以上のギフトを紹介する「CREA」2024年冬号の「贈りものバイブル」特集。その一部を抜粋し、掲載します。 【画像】北海道三大銘菓を画像で見る! 北海道で生まれ育ち、子どものころの日々のおやつをはじめ、人生の節目や記念日を北海道スイーツに彩られてきたというフードマーケッターの北村 貴さん。 食のプロでもある北村さんに、北海道を代表する「六花亭」「ロイズ」「イシヤ」の魅力について語っていただきました。
北海道のお菓子にはおもてなしの心が詰まっている
「北海道には多くの製菓会社がありますが、お菓子の原料となる上質な素材が豊富なことに加えて、ここまでお菓子が生活に根付いているのは、農家さんの存在が大きいと思います。 北海道では、昔から農家のお手伝いをする風習があり、農作業のお手伝いをする方を“でめんさん”と呼びます。みなさん、休憩時間のおやつをとても楽しみにされていて、“どこのおやつが出るか”で働き先を選ぶ人も多く、私の地元である十勝では、でめんさんのおやつとしても六花亭は愛されていました」 かくいう北村さんも、六花亭とはゆかりが深く、近しい親戚が六花亭の前身に当たる「帯広千秋庵」に勤めていて、日本で初めて発売されたホワイトチョコレートの開発にも携わっていたそう。それゆえ、子どものころから六花亭のお菓子に慣れ親しんできましたが、なかでも「リッチランド」は特別と話します。 「リッチランドはシンプルなチーズサブレなのですが、地元の小学生の間では憧れのお菓子なんです。その理由は、袋に十勝の児童が書いた詩がプリントされていて、子どものころはこれに自分の詩が載るのが夢で、何度も応募しましたね。その当時の思いを重ねて、今はお子さんのいるご家庭への手みやげにしています。こうして、お菓子を通じて地域の文化を牽引する役割を担っているのも、六花亭が地元で愛され続ける理由です」 これまで、六花亭のさまざまなお菓子を食してきた北村さんですが、“キングオブ六花亭”と絶賛するのが「御容赦どらやき」です。知る人ぞ知るこのどらやきは、季節限定・発送不可の商品で、賞味期限も当日限りという特別なもの。 「六花亭には通年買えるどらやきもあって、もちろんそちらもおいしいのですが、御容赦どらやきはあんこも生地も別格。季節限定で数も限られているので、見つけたときは必ず買って、その日会う人に配ります」 2024年は3月31日までの販売を予定しているのでお見逃しなく! 贈りものには、「六花撰」が万能かつ優秀という北村さん。 「『六花撰』はその名のとおり、六花亭の代表的なお菓子が詰まっていてボリュームもあり、間違いなし。もう少しカジュアルな手みやげには、『□△○(まるさんかくしかく)』を選びます。こちらはクオリティの高いクッキーが9種類も入っていて、3,000円以下という価格も良心的」 さらにスペシャルな贈りものを渡したいときには、オリジナルの缶を利用。 「六花亭にはポイントカードの特典でしか交換できない風呂敷があって、缶を買って好きなお菓子を詰めて、その風呂敷に包んで渡すのが私の中で最上級の贈りものです」