トランプ返り咲きに影落とす“危険思想”政策レポート「Project 2025」、その内容とは
共和党関係者たちも続々とハリス支持へ
こうした矢先、去る8月20日には、共和党のジョージ・W・ブッシュ元大統領、ミット・ロムニー、ジョン・マケイン両元大統領候補の下でそれぞれ首席補佐官、広報担当官などの要職にあった上級スタッフたち238人が、全国紙「USA TODAY」に、「Project 2025」批判ととともに、ハリス民主党候補への投票を呼び掛ける異例の「公開状」を特別寄稿、この中で以下のよう指摘している: 「これまで共和党政権で仕事をしてきた我々は今日、全員一致でカマラ・ハリス民主党候補に投票することを宣言する。ハリス候補との間では率直なところ、イデオロギー面などで見解を異にする点もあるが、しかし、ほかに選択肢は残されていない。 国内において、(前政権時に加え)新たに4年間のトランプによる混乱に満ちた指導体制の下で『Project 2025』の危険極まりない政策目標が進められることになれば、国民一人ひとりに害をもたらし、わが国の神聖な政府組織が脆弱化に追い込まれる。世界においても、トランプと礼賛者のJ.D.バンスがプーチン(ロシア大統領)のような独裁者に首を垂れる一方で、我が国の同盟諸国に背を向けることによって、民主主義運動がとりかえしのつかないほどダメージを受けることになる。 現在のバイデン民主党政権は、2020年大統領選挙の際に重要な接戦州(ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンなど)において穏健共和党支持者と保守寄りの無党派層が支持投票を行った結果、誕生した。我々はこの教訓を踏まえ、今年11月の大統領選挙においても、とくに穏健共和党支持者および無党派層がトランプを回避し、ハリス候補に投票するよう要請する」 共和党関連ではこのほか、レーガン、H.W.ブッシュ、ジョージ・W. ブッシュ歴代政権を支えた著名弁護士たち十数人も、「Project 2025 」に反発、ハリス支持の声明を出している。 9月6日には、歴代共和党政権下でホワイトハウス首席補佐官、予算局長、国防長官などを務めたディック・チェイニー元副大統領も、「トランプは米国民主主義の破壊者」として、ハリス民主党候補に投票することを正式表明した。