去年、三重県鈴鹿市でブラジル国籍の女性を殺害し所持品を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われていた女性の夫ら3人に対し津地方裁判所は16日、女性の夫に無期懲役、長女の内縁の夫に懲役20年の実刑判決、また長女に懲役15年の実刑判決を言い渡しました。 　強盗殺人と窃盗の罪に問われていたのは、ブラジル国籍で女性の夫のプラテス・アルメイダ・デメルソン被告(50)。 　強盗殺人の罪に問われていたのは、長女の内縁の夫のハコザキ・ルカス・ハルユキ被告(24)。強盗殺人ほう助の罪に問われていたのは、長女のアイハラ・アルメイダ・キンベリ・カオリ被告(27)です。 　起訴状などによりますとデメルソン被告とルカス被告は去年5月、鈴鹿市内の路上で妻のロゼリさん(当時46)の首などを切り付けて失血死させ、財布などが入ったかばんを奪ったほか、デメルソン被告は事件の翌日に妻名義のクレジットカードを使って現金139万円を引き出すなど、強盗殺人と窃盗の罪に問われていました。 　また、長女のカオリ被告は現場付近で見張りをし、ロゼリさんの帰宅をデメルソン被告に知らせるなど強盗殺人ほう助の罪に問われていました。 　これまでの裁判で、検察側はデメルソン被告に無期懲役を求刑。ルカス被告に対しては懲役20年、長女のカオリ被告に対しては懲役15年を求刑していました。 　一方、弁護側は「殺害の犯行を行ったのはルカス被告」などとしてデメルソン被告に対し強盗致死罪の懲役20年が相当と主張。また、ルカス被告には懲役7年カオリ被告には無罪が相当と主張していました。 　16日に津地方裁判所で開かれた裁判員裁判で、出口博章裁判長はデメルソン被告に対し「確定的殺意をもって実行された計画的で残虐な犯行の主犯格であり、動機も極めて身勝手で短絡的である」として求刑通りの無期懲役を言い渡しました。 　また、ルカス被告に対して「未必的殺意をもって金品を奪うなど実行行為の一部を担った」として求刑通り、懲役20年の実刑判決、カオリ被告に対しては「デメルソン被告の指示にしたがって犯行を容易にした」として求刑通り、懲役15年の実刑判決を言い渡しました。