史上2校目となるウインターカップ3連覇…比江島慎が証明した「冬の洛南」の勝負強さ
12月23日開幕の「ウインターカップ2023」にあわせて、過去にウインターカップで輝いたスター選手をピックアップ。今回は2000年代後半に洛南高校で輝いた比江島慎の活躍を振り返る。 【動画】ウインターカップ3連覇を果たした高校3年次の比江島慎
■能代工業に続く冬の3連覇
2006~2008年にかけてウインターカップ3連覇を遂げた洛南高校。この記録は能代工業高校に続く、史上2校目の快挙である。 2006年のエースは湊谷安玲久司朱。決勝で40得点と大爆発したことが注目されたが、この年の洛南は、準決勝では橋本竜馬と金丸晃輔を擁して下馬評の高かった福岡大学附属大濠高校を下し、決勝では篠山竜青がけん引したインターハイ覇者の北陸高校に勝利したことで、目を見張るような成長ぶりが印象的だった。 続く2007年、洛南は爆発力あるシューターの辻直人がエースとなり、1学年下の比江島慎とともに得点源となって2連覇を達成。この年は満原優樹、長谷川技らが軸となる能代工業がインターハイを制し、並里成が猛威を振るう福岡第一が本命に挙げられていたが、またも冬に向けて力をつけてきた洛南が、能代工と福岡第一とのライバル決戦を制して頂点へ駆け上がっている。 3連覇がかかった2008年は得点力に磨きをかけた比江島と、199センチの高さを持つ谷口大智を軸にチーム作りが進められた。ウインターカップ決勝では、シューター狩野祐介と高さのあるセック・エルハジ・イブラヒマを擁する福岡第一と激突。最後まで大接戦となるが、この激闘を2点差で制した洛南が、悲願のウインターカップ3連覇を達成した。
■洛南3連覇の顔となった比江島慎
洛南3連覇の中心となったのが比江島慎だ。1年生の時はリバウンドや球際に強いシックスマンとしてキーマンとなり、2年生では辻直人とコンビを組んで得点源へと成長。3年になると内外角を自在に攻めるエースとして活躍している。 ただ、比江島がいた3年間、洛南はすべての大会で決勝に進出していたわけではない。インターハイの成績は1年次が準優勝で、2、3年次はベスト4が最高成績。洛南は伝統のパス&ランを主体に、チームプレーの中に個々の能力を生かすスタイルなだけに、チームが完成するには時間を要している。それゆえ、冬に向けてチームの完成度を高め、夏から見違えるほどの勝負強さを備えて東京体育館に乗り込んでいくのだ。実際、比江島が3年次の国体では洛南主体の京都が優勝しており、冬に向けてメキメキと力をつけていた。比江島は3連覇がかかるウインターカップを前にしてこう言っていた。 「インターハイから成長したところを見せたい。洛南は冬に強いんです」