旧長崎医科大の通用門の門柱「新たな被爆建造物として登録すべきだ」…長崎市の基準でも最重要ランク相当
長崎大医学部キャンパス(長崎市坂本1)の工事現場で見つかった旧長崎医科大の「通用門の門柱」について、長崎市原子爆弾被災資料審議会は、新たな被爆建造物として登録すべきだとの意見をまとめた。すでに登録されている「長崎医科大学門柱」と合わせて保存される見通し。 【表】長崎市内の主な被爆建造物等…城山国民学校や浦上天主堂石垣はAランク
通用門の門柱は爆心地から約500メートルの場所にあり、今年1月、敷地の擁壁整備中にのり面に埋まっているのが確認された。のり面の石積みの最下部にあり、被爆後の復旧時に埋設されたとみられる。
22日に開かれた同審議会では、通用門の門柱は原爆で折損したと考えられ、保存することで被爆の実相を継承できるとの見解が示された。市の「被爆建造物等の取扱基準」でも、重要度が最も高いAランクに相当するとの意見が出た。審議会の岸川正大会長は「爆風の威力を感じさせる貴重な資料。平和への意識を高めるために活用してほしい」と話した。
市は爆心地から4キロ以内で被爆した建築物、工作物・橋梁、植物などを調査対象とし、A~Dランクに分類。AとBは原則、保存・補修の補助事業の対象となる。Aランクの被爆建造物には、旧城山国民学校の校舎や浦上天主堂の鐘楼、長崎医科大学門柱など29件が登録されている。