【Playback箱根駅伝】第27回/快進撃止まらぬ中大 9区間区間賞で他校に影も踏ませず
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第27回箱根駅伝総合成績をチェック
第27回(1951年/昭和26年) 中距離ランナー・室矢芳隆が4区で区間新 明大2位 日大・水田信道が3区で一矢報いる
中大が2年連続の完封優勝で4度目の総合優勝を飾った。しかも、区間3位だった3区以外の9区間で区間賞。うち5区間で区間新記録樹立という圧倒的な強さを見せつけた。9区間を制しての優勝は史上初の出来事で、今も1大会での最多区間賞として残る。 中でも注目を集めたのは、戦後、日本が五輪に復帰した翌年のヘルシンキ大会に800m代表として出場することになる4区の室矢芳隆。中距離ランナーのスピードを発揮して、14年前に作られた従来の区間記録を40秒も更新する1時間7分2秒の区間新をマークした。 同じくヘルシンキ五輪にマラソン代表として出場して25位の成績を収めることになる5区西田勝雄も山上り4回目のベテランらしいペース配分を見せて区間賞。往路で2位の明大に7分10秒差をつけた。 6区に登場した山下りのスペシャリストである田邉定明も自身の区間記録を1分24秒縮める区間新記録。復路は全区間区間賞の圧勝で他を寄せ付けなかった。2位は21分29秒差で明大、3位は復路2位の早大が入った。また、4位の日大は3区の水田信道が区間賞を獲得。中大の区間賞独占を阻止した。 9位でゴールした東農大は8区の選手が残り100m付近で倒れ、応援団に抱き上げられて戸塚中継所に到着。このことがレース直後の監督会議で指摘され、同校のコーチが自ら失格を申し出た。 また、慶大は「冬季間に固い路面を走ると故障を起こしやすくトラックシーズンでの活躍が望めない」という駅伝有害論に立って参加しなかった。これをきっかけに第37回大会まで出場を辞退して、箱根駅伝の舞台から遠ざかることとなる。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部