<ふるさと納税>北海道でトップの上士幌町 小さな町が人気の理由は?
皆さんは「ふるさと納税」を利用したことがありますか? 実は、この制度の寄付金を北海道で一番集めている市町村は上士幌町(かみしほろちょう)です。北海道の中部に位置する小さな町が人気を集める理由は何でしょうか。
人口5000人弱の小さな町
ふるさと納税制度は、名前に「ふるさと」とあるため、自分の出身地や生まれ育った地方自治体に納税すると勘違いしがちですが、実は応援したい地方自治体であれば、特に縁もゆかりもなくても納税できる制度です。また「納税」という名称ですが、実際は寄付金(2000円を超えた場合)として扱われるため、確定申告をすることで税控除も受けられます。寄付をする際、自治体に対して使用目的を指定できるのも特徴です。 2008年4月に公布された「地方税法等の一部を改正する法律」が基になっている制度ですが、最近では全国の地方自治体が工夫を凝らし、寄付金に対しての御礼を行うようになってきました。 そのふるさと納税で、北海道内でダントツ一番の寄付金を集めている市町村が上士幌町です。人口4877人(2015年2月末現在)、十勝地方に位置する小さな町です。町内の約76%が森林地帯という自然豊かな町で、カントリーサインに気球が描かれている通り、毎年8月に開催される北海道バルーンフェスティバルが最大のイベントです。
10億円近い寄付金集める
ふるさと納税の寄付金の額は、制度スタート以来、全国的にも右肩上がりで、2014年末に長崎県平戸市が、同年度の寄付金が10億円を超えたと発表。10億円超の寄付金を集めた初の市町村となりました。そして後を追うように、上士幌町が3月2日に9億6000万円を超える寄付金の予想を発表。2014年度予算で計上した町税収入の約6億4000万円の1.5倍の規模となっています。 3月1日現在での寄付金はおよそ9億956万円(5万1090件)で、前年度の2億4350万円(1万3278件)をすでに大きく上回っています。しかし、北海道の中でも“ツウ”な市町村である上士幌町が、なぜふるさと納税で多額の寄付金を集められたのでしょうか? 実はそこには草の根的な地道な努力が隠されていたのです。