「いらっしゃいませ」すら言えなかった接客下手の女性 がんに倒れた父から、日本に2軒しかない「江戸風鈴」の店舗を託されて
◆チャンスを無駄にせず全力で応える
----その後、江戸風鈴の伝統は守りつつ、新しい絵柄や商品にもチャレンジされていますね。 江戸風鈴を作っているのは日本に2軒だけという希少さもあり、幸いにもいろいろなコラボレーションなど新しいことに挑戦できています。 基本的にうちの家はみんな運がいいんです。 祖父(2代目・儀治氏)も、戦争で死なずに帰ってきました。 私も運のよさを引き継いでいるんだと思います。 そのおかげでいままでやってこられた部分が大きいですね。 これからもいただいたチャンスは無駄にせず、できるだけ全力で応えていきたいと思っています。
■プロフィール
篠原風鈴本舗 篠原 由香利 氏 1981年東京都生まれ。大学卒業後の2004年、家業の篠原風鈴本舗に入社。3代目の父・篠原裕氏の没後、篠原風鈴本舗の顔として「江戸風鈴」を世に広めている。風鈴作りでは絵付けを担当し、伝統柄から現代の暮らしになじむモダンなものまでさまざまな風鈴を制作。音楽、アニメほか異分野とのコラボレーション作品も多い。平成23年東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞奨励賞をはじめ数々の賞を受賞。江戸川区伝統工芸会、江戸川伝統工芸振興会会員。なお「江戸風鈴」は2代目篠原儀治氏が江戸時代と同じ製法で製造している自社の風鈴を商標登録したブランド名である。