【気になる老後の収入】貯金が尽きそうなので、「老後」も働くつもりです。正直「稼げない」と思うのですが、現役時代と比べてどれだけ給料は低くなるでしょうか?
まだ現役の段階であっても、自身の収入などから老後の資産状況をある程度把握できるという人は多いでしょう。その結果、老後も働く必要があると判断する人が出てくる可能性もあります。 しかし、老後の収入は現役時代と比べて減るケースが多くなっています。今回は、高齢者世帯の所得状況や働いている人の平均年収などについて紹介します。また、老後の生活を見据えて備えておきたいことについても説明します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
高齢者世帯の所得状況
まず、高齢者世帯の所得状況の把握が肝要です。厚生労働省の「国民生活基礎調査」の結果によると、令和3年の高齢者世帯の総所得は約318万円でした。そのうちの約63%は公的年金・恩給です。稼働所得は全体の約25%で、金額は年間で約80万円でした。 財産所得や年金以外の社会保障給付金の割合は非常に少ないため、高齢者の多くは年金の受給か稼働所得で生活費をまかなっていることが分かります。320万円ほどでは生活費が足りない場合や、年金をそれほど多く受け取れない人は、老後も働く必要があるでしょう。
60歳以上の平均給与
つづいて、高齢者の平均給与を、国税庁の「民間給与実態統計調査」からみてみましょう。令和4年分の調査結果によると、65~69歳の平均給与は342万円でした。70歳以上では、298万円となっています。 日本人全体の平均給与は458万円です。年齢階層別の平均給与をみたとき、ピークは55~59歳で546万円となっています。60~64歳になるとピークから100万円ほど減り441万円となり、そこからは紹介した通り徐々に減少していく結果でした。 重要なのは、現役時代と比べたときの減少割合です。そもそも、自身の給与が平均給与に届いていない人も多いでしょう。そのような場合は、70歳以上になったときに年間で300万円ほどは稼げず、さらに少ない収入しか得られない可能性があります。 そのため、減少割合に着目し、自身の老後の給与を想定しておくとよいでしょう。平均給与のデータでは、ピークのときと比べ、70歳以上になると5割近くまで減少しています。このことから、自身のもっとも給与が高いときから、老後は半分近くまで給与が下がると想定できます。