「飲み会はもはやオワコン」「ブラック企業イメージも悪影響?」…。ワタミの「サブウェイ買収」に見る居酒屋の“衰退の現実”
にもかかわらず居酒屋が衰退しているのは、それ以外のファミレスなどのチェーンにおける飲酒需要が盛り上がっており、逆にそれだけ居酒屋という業態自体が斜陽化を迎えているともいえるかもしれない。 その理由は私たちの生活スタイルを鑑みればわかるだろう。リモートワークの普及で出社しない日も増え、それに伴って会社での飲み会も減少。まして、大規模な宴会も行われることが少なくなった。 その代わり、少人数や個人でちょっとだけ飲む、といった行動が増え、大きな宴会を頼みの綱の1つにしていた居酒屋チェーンにとっては、大きな逆風が吹いている。
日高屋を運営するハイデイ日高の好調が続いていることや、主力のファミレス業態で店舗数が漸減傾向にあるなかで「バーミヤン」の店舗数をすかいらーくがじわじわと増やしていることも、「ちょい飲み」「ひとり飲み」「少人数飲み」の増加の結果だろう。 では、そんなワタミによるサブウェイの買収は、吉と出るのだろうか。続く後編ーサブウェイ「ワタミによる買収」が納得しかない訳 「体験型飲食」として実は高いポテンシャルがあるーでは、サブウェイの業態としての強さ、拡大のポテンシャルについて、「体験型消費」という観点から探っていきたい。
谷頭 和希 :都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家