「Visual Studio 2022」v17.12が一般公開 ~「.NET 9」と同時リリース
米Microsoftは11月12日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2022」の最新版v17.12を一般公開した。「.NET 9」のポテンシャルを引き出すための改善に加え、新しいAI生産性機能の提供に重点を置かれているという。 「Visual Studio 2022」v17.12では、開発者からの機能リクエストに応えた多くの改善が含まれている。ワークフローを簡素化し、生産性を向上させる新しいツールや、機能強化もいくつか追加されているとのこと。高度なデバッグ機能、より効率的なコード管理、強化されたセキュリティ機能なども盛り込まれている。 ・生産性 ・エラーリストからエラーをコピーすると、行全体ではなく、説明だけがクリップボードにコピーされるように ・コード検索で任意の行に移動 ・コード検索ウィンドウがドッキングに対応。自由なレイアウトが可能に ・折りたたみテキストのインジケーター色を好みにカスタマイズできるように ・検索結果をリフレッシュする機能 ・水平スクロールバーのスペースを拡大。「CodeLens」のファイルレベルインジケーターの可視性を制御できる ・保存時のコードクリーンアップのノンブロッキング化。よりスムーズなコーディングが可能に ・GitHub Copilot ・AIスマート変数検査を統合し、デバッグワークフローを最適化 ・AIを搭載した「IEnumerable」ビジュアライザー ・「GitHub Copilot」でコードを修正 ・C#のAI補完が改善 ・「GitHub Copilot」でテストをデバッグ ・デバッグと診断 ・デバッグ時にメソッドの戻り値がインライン表示されるように ・ブレークポイントグループのインポートとエクスポートが簡単に ・「.NET 9」以降をターゲットとする「Blazor WebAssembly」アプリのデバッグエクスペリエンスが向上 ・プロファイラーカウンターツールにメーターヒストグラム ・複数のメモリスナップショットを選択して、時間経過によるメモリ使用を比較・ ・Git ツール ・「Git」でファイル名の変更を管理 ・ドラフトとテンプレートを使ったプルリクエスト ・「GitHub」内部リポジトリの作成 ・コードの特定の行への「GitHub」または「Azure DevOps」リンクを取得して、同僚と簡単に共有 ・AIによる「Git」コミットメッセージのリライト ・「GitHub」と「Azure DevOps」のマルチレポシナリオの改善 ・IDE ・テーマを変更してもフォント設定が保持されるように ・マルチプロジェクト起動設定 ・インスタンス間のファイルコピー ・複数の「GitHub」アカウントへ対応 ・ネットワーク呼び出し中にデジタル証明書の問題を検出した場合に、Visual Studioが警告するように ・「MotW」( Mark of the Web)セキュリティ警告 ・「Teams Toolkit」の新しいAIテンプレート ・クラウド ・「Azure App Service」のパブリッシュセキュリティアップデート ・「Azure Functions Flex Consumption」ホスティングプランへのパブリッシュが可能に ・「Connected Services」のセキュリティアップデート ・デスクトップ ・「Visual Studio Installer」の検索機能が強化され、「WinUI」プロジェクトのセットアップが容易に ・Web ・HTTPファイルがリクエスト変数をサポート ・HTTP環境ファイルで環境間で変数を共有できるように ・JavaScript/TypeScriptプロジェクトで「Vitest」を用いたテストケースの作成が可能に ・「Inlay Hints」のサポート言語拡充。JavaScript、TypeScript、Python、Razorにインレイヒントのサポートが追加 ・データ ・「SQL Server Data Tools」(SSDT)プロジェクトでSDKスタイルのプロジェクトファイルフォーマットを使用できるように .NET ・「.NET 9」への対応 ・「NuGet」がデフォルトの監査設定を変更し、遷移パッケージを含めるように ・C++ ・ツールバーからC++コマンドライン引数を設定する新しい方法が追加 ・ビルドインサイトビューの説明リンクを追加 ・ビルドインサイトでファイルをより鮮明に表示。カーソルを合わせるとフルパスが表示される ・「Unreal Engine」アッププロジェクトのフォルダーを開く機能 ・C++向けに改良された機能により、シグネチャーを効果的に変更できるように 「Visual Studio 2022」は現在、「visualstudio.microsoft.com」からダウンロード可能。大規模チーム向けの「Enterprise」、小規模チーム向けの「Professional」、学生・入門者・オープンソース貢献者向けの「Community」といった3つのエディションが用意されており、エンタープライズ組織(PCが250台超または年間収入が100万米ドル超)でなければ「Community」版は無償で利用できる。
窓の杜,樽井 秀人