ソニー・ホンダ連合がEV開発に生かすプレステの知見「移動に新たな価値をつくる」 出遅れ挽回へトップが語った勝算
電気自動車(EV)の販売が世界で拡大している中、出遅れが目立つ日本勢の中で話題をさらったのが、ソニーグループとホンダの協業だ。ともに戦後間もない時期に町工場から出発し、世界へと羽ばたいた日本を代表する企業だ。変化への思いに共鳴し発足した共同出資会社のソニー・ホンダモビリティは、2025年にEV「アフィーラ」を発売する方針だ。後発組の老舗企業連合に勝算はあるのか。犬型ロボット「aibo(アイボ)」復活などソニーの人工知能(AI)やロボットの開発をけん引し、ソニー・ホンダモビリティ社長に就いた川西泉氏に聞いた。(共同通信=新井勇輝、佐藤拓也) ▽中国市場が急成長、世界販売の6割以上に まずEVの世界市場がどうなっているのかをおさらいしよう。調査会社マークラインズによると、2022年の電気自動車(EV)の世界販売台数は約726万台となり、前年比66・6%増えた。ガソリン車を含む市場全体(約7621万台)のうち、EVの占める割合は前年の5・5%から9・5%に拡大した。
EV市場が急成長しているのが中国だ。2022年には約453万台と前年から約200万台増え、世界の6割以上を占めるまでになった。ドイツや英国など西欧は約153万台で、米国は約80万台だった。日本は軽自動車のEVが好調だったが、約5万台に過ぎない。 ▽トヨタ、ホンダは世界上位20社に入らず 中国市場のけん引役は現地メーカーの「比亜迪(BYD)」だ。2022年の販売台数が約87万台となり、メーカー別の世界ランキングで2位に上昇。約127万台で首位を走る米テスラを猛追している。日本でも2023年に入ってEVの販売を始めたほか、タイでは海外初となるEV工場を建設中で、海外展開を加速させている。 メーカー別の世界ランキングで日本勢は日産自動車とフランス大手ルノー、三菱自動車の企業連合による約28万台の7位が最高だった。トヨタ自動車やホンダは上位20社にも入らなかった。 ▽新しいチャレンジへの思いを共有